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ハッブル宇宙望遠鏡による木星のオーロラの短時間の変化 / NASA


【1996年10月17日 NASA発】
ハッブル宇宙望遠鏡は、木星のオーロラが短時間で劇的に変化する様子 を撮影することに成功した。そのシャープな画像は、木星の巨大な磁場 とオーロラとの関係を明らかにしてくれると期待されている。

ハッブルの最近の観測では、木星の磁極(これは自転軸から10〜15°ほど 傾いている)に歪んだオーロラが出現しているのが捉えられた。また、木 星と火山性衛星イオとの間に流れている約100万アンペアの電流によって できた、オーロラの"足跡"のようなものも発見されている。

木星のオーロラは衛星イオの影響を多大に受けているようだ。その理論によ ると、イオの火山の噴火によって大量の粒子が放出され、それらがイオン化 して木星の磁場に捉えられ、北極と南極に引き寄せられて、小さな点状の オーロラを作る。これがオーロラの"足跡"として観測される。

これらのハッブル宇宙望遠鏡の観測は、現在木星の周りを回っているガリレオ 探査機の観測によって、さらに補完されるだろう。そして、両者の観測結果を 合わせることで、木星のオーロラが発生するメカニズムについての理論を 改善することができると期待されている。

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