オーストラリアのR.M.マックノートは、サイディング・スプリングのUK シュミットでQ.A.パーカーが8月8.70684日UTに撮影した写真から、 アイラス彗星(= 1983j = 1983 XIV)の回帰を検出した。検出時の位置は、 赤経(2000)=0時41分55.57秒、赤緯(2000)=-62度34分47.4秒(きょしちょ う座)で、全光度は13等。中央集光が強く、1分の扇型の尾があった。 なお、MPC22033に掲載された村岡氏の予報軌道とのずれは、ΔT=-1.65日 であった。(IAUC 6446)
村岡健治氏は、1983年6月30日から1996年8月9日までの100個の観測から、 9惑星と月、5小惑星の摂動を考慮した改良軌道を計算した。 (平均残差は、+/- 1.09秒)
Epoch = 1996 Nov. 13.0 TT JDT = 2450400.5 T = 1996 Oct. 29.99604 +/- 0.00044 (m.e.) TT Peri. = 356.88738 +/- 0.00024 Node = 357.70069 +/- 0.00004 (2000.0) Incl. = 45.96162 +/- 0.00007 q = 1.7026885 +/- 0.0000018 AU e = 0.6965896 +/- 0.0000003 a = 5.6118334 +/- 0.0000015 AU n = 0.07413903 +/- 0.00000003 P = 13.294 +/- 0.0000052 years
今後この彗星は、きょしちょう座からつる座へ北上し、9月下旬から日本 国内でも観測可能となる。IAUC 6446によると、9月中旬ごろの全光度は10.9等 と予想されている。