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木星の衛星ユーロパに液体の海を発見?


「火星の生命」フィーバーに明け暮れる中、今度は木星の衛星ユーロパで の新たな発見が発表された。氷で覆われたユーロパの地下に暖かい氷、 または液体の水の層の存在を示す兆候が、惑星探査機ガリレオの調査で 判明した。

ガリレオが6月27日に撮影した映像には、明らかに他の場所から流され、 分裂した表面の氷が映し出されていた。これは、氷の地下に暖かい氷、 または液状の水の層が存在し、表面の氷が滑りながら移動した事を 示しているという。この活動は現在も続いている可能性がある。

ユーロパは、1979年のボイジャー探査機による観測で、その氷の表面のひび割れた 特徴的な素顔を始めて明らかにした。他の太陽系天体と違ってクレーターが ほとんど存在しないことから、ユーロパの表面は比較的新しいものであり、 現在も活動が続いている可能性があった。 木星の強大な潮汐力が氷を溶かし、地殻が押し合い、ひび割れを 形成すると考えられている。 その時以来、地下には海がある可能性があり、 太陽光線が届いていれば生命が発生する可能性があるとした説が提唱されていた。 このため、ガリレオ探査機のユーロパ探査の目標は、液体の水の存在を 確認することに絞られていた。

今回の発見では、確実に液体の水が存在する証拠まではつかめなかったが、 科学者達は以降の観測に期待をかけている。 今回の撮影は約16万キロメートルの距離から撮影されたものだが、 1996年12月19日には、ユーロパに600キロまで接近する予定だ。 また、今年の9月と11月には再度遠方よりの撮影が予定されている。

NASAガリレオ探査機ホームページ http://www.jpl.nasa.gov/galileo


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