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小惑星ピッカリンギアによる
恒星の掩蔽の改良予報(続報)


【1998年10月18日 佐藤 勲 氏 ONM No.372】

USNOの8月16日から10月13日までの観測によると、24日(土)に起こると予報されていた小惑星(784)Pickeringa(13.9等)によるACT0454717(10.28等)の掩蔽は、初期予報に対して北へ0".55±0".03, 時間で14±3秒早く、21h20m40s〜21m50mごろ、関東、東海、近畿、中国、四国、九州地方を通ります。 小惑星の直径に対して予報の誤差がやや大きく、東北南部から九州までの全域が可能性圏内にありますが、掩蔽帯の一部が日本にかかることは確実です。 改良予報による掩蔽帯の地図は、小惑星ピッカリンギアによる恒星の掩蔽の改良予報のページに掲載してあります。 今後さらなる改良予報が出た場合には、随時更新する予定です。

小惑星の直径は90kmと推定され、現象が起これば、最長6秒間にわたって3.7等級の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経01h25m26s4、赤緯+12°36'27"で、うお座にあります。恒星は10等とやや暗いので、詳しい星図を頼りに探し、なるべく口径の大きな望遠鏡で観測することが望まれます。

眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。 ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。

なお、15日に起こると予報されていた小惑星(52)EuropaによるGSC0726_0899の掩蔽 は、北海道北部方面を通過すると予報されていましたが、悪天候のため、観測されま せんでした。


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