
ミノルタからブローニサイズにも
対応したフィルムスキャナ登場
ミノルタは、ブローニー(6×4.5〜6×9)、35mm、APS、といった各種のフィルムに加え、医療分野で用いられる内視鏡16mmフィルムや、プレパラートにも対応し、高速でかつ簡単に高画質デジタル画像をパソコンに入力できる、ミノルタ「Dimage
Scan Multi(ディマージュ スキャン マルチ)F-3000」を6月上旬より発売する。主な特徴は以下のとおり。
- マルチフォーマット対応
ブローニーフィルムや35mmフィルム、電子顕微鏡フィルムや、医療分野での内視鏡用16mmフィルムにも対応。さらに顕微鏡用プレパラート上に試料を置いて直接スキャンすることもできる。また、APSアダプタ(別売)を使用する
ことにより、APSカートリッジフィルムのネガ・ポジも同様に読み取れる。
- 12bit入力とスキャナ専用ICによる、高画質化
35mm、APS、16mmフィルム、及びプレパラートの画像を最大2820 dpiで、ま
た、ブローニーフィルム、電子顕微鏡フィルムは最大1128 dpiで読み取れる。
12bit(4096階調)の画像分解能を確保、独自開発のスキャナー専用ICとあいまって、銀塩フィルムのポテンシャルを十分に引き出し、自然な色を再現することができる。
- 高速スキャン
画像処理エンジン部にスキャナ専用ICを搭載しスキャン制御の最適化を図ることで、ブローニーフィルムでも35mm同様の高速スキャンを可能にしている。
各種ホルダを使用することにより、スリーブは6コマ、マウントは4コマ、
APSカートリッジは最大40コマを一括してスキャンできる。さらに、スライドフィーダ(別売)を装着すれば、一度セットするだけで自動的に最大
50コマのマウントフィルムをスキャンできる。
- フォーカス
オートフォーカス(AF)技術により、ユーザーが特に操作しなくても、自動的にフィルム面の中央にピントを合わせることができる。
ポイントAFモードでは、画面上の任意の点にピントを合わせることもできる。
フィルム面のたわみなどから発生するピントのボケを意図的に調節可能なマニュアル[パワー]フォーカス機能も搭載し、画面上の任意の点におけるフォーカシング量をマニュアルで調整することもできる。
ミノルタ「ディマージュ・スキャン・マルチ F-3000」
スキャン可能
フォーマット |
35mmフィルム
ブローニフィルム(6×4.5、6×6、6×7、6×9)
電子顕微鏡フィルム(5.9×8.2cm)
プレパラート(2.6×7.6mm)
16mmフィルム
APSフィルム(オプションで対応) |
光学解像度 |
光学系倍率切換による2段切換
2820dpi
(35mmフィルム、16mmフィルム、APSフィルム、プレパラート)
1128dpi
(ブローニフィルム、電子顕微鏡フィルム) |
走査方式 |
フィルム移動によるセンサー固定方式で、1パススキャン方式
|
イメージ
センサー |
RGB・3ラインCCD(2700画素) |
A/D分解能 |
12bit |
ダイナミック
レンジ |
3.4 |
光源 |
3波長蛍光灯(熱陰極管):ユーザー交換可能 |
希望小売価格
(税別) |
298,000円 |
|
高画質化をめざず天体写真愛好家の間では、ブローニフィルムの使用は、もはやスタンダードとなった感があるが、デジタル処理の分野では、ブローニーフィルムをスキャンできるフィルムスキャナの価格が高価なこともあり、あまり行なわれていないのが実状だ。今までは、コスト高になるのは承知で、プロフォトCDや、業者に依頼してドラムスキャナによる入力を行なうか、低解像度を我慢して廉価なフラットベットスキャナ+透過原稿ユニットで入力を行なうしかなかった。そんな天体写真愛好家にとって、今回発売される、ミノルタ「ディマージュ・スキャン・マルチ
F-3000」は朗報となるだろう。光学系切り替えという方式で、ブローニフィルムのスキャンに対応しているため、ブローニーフィルムスキャン時の光学解像度は1128dpiとやや物足りないのは残念だが、自宅の環境で、ブローニフィルムを処理できるメリットは、はかりしれないだろう。
またこれは、個人的な要望なのだが、次期バージョンではブローニフィルムの任意の一部分を、35mmサイズフィルムのスキャン解像度でスキャンできれば、さらに応用が広がるのではないだろうか。 普及価格帯に登場しはじめた、ブローニサイズ対応のフィルムスキャナ、他社の追随による競争と高品質化に期待したい。
詳細はミノルタWWWサイトで公開されている。
ディマージュ・スキャン・マルチ
F-3000 プレスリリースページ
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