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球状星団のはぐれもの / NASA


【1997年10月22日 NASA/STScI
球状星団のはぐれもの

球状星団は非常に年老いた星の大集団で、 宇宙創生の初期の頃に誕生したものと考えられてきた。 しかし近年の観測によりこの球状星団中に非常に若く青白く輝く星が発見されている。 これはまるで老人ホームに若者がいるような状態で 天文学者の悩みの種のひとつだった。

今回ハッブル宇宙望遠鏡はこの問題を解決するためにきょうしちょう座にある 1万5000光年彼方のきょしちょう座47(NGC104)とよばれる球状星団を観測した。 画像中に円で示されているのが若い星である。

この観測からはこれらの星は太陽の1.7倍程度の質量を持つ正常な恒星であるのだが、 太陽にくらべて2〜3倍のスピードで回転していることが判明した。 これらの観測結果から天文学者たちはこの若い星は、 もともと連星であったものが合体したものでは無いかと考えている。 連星系の角運動量が保存され高速に回転する星が誕生する。 また別の天文学者は無関係の星が偶然衝突したのかも知れないと考えている。 また、これまでの球状星団の青い星は星団の外縁で発見されているが、 この球状星団では中心核近くに発見されている。

いずれにせよさらに研究を進めるためには地上の望遠鏡では能力的に不可能なので、 ハッブル宇宙望遠鏡の活躍がさらに期待される。


詳しくは下に示すStSCIのWEBページにて解説されている。

http://oposite.stsci.edu/pubinfo/PR/97/35/


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