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明るい6個の超新星の連続発見


【 1997年 4月 4日 IAUC 6612, 4月 7日 IAUC 6613, IAUC 6615, 4月 8日 IAUC 6616, IAUC 6617, 4月 9日 IAUC 6621, 4月10日 IAUC 6622, 4月11日 IAUC 6623, 4月16日 IAUC 6627, 4月17日 IAUC 6629 】

4月3日から15日の13日間に、写真やCCDで写すことのできる明るい超新星が 6個連続して発見された。

北京天文台の超新星捜索チームは、4月3日に60cm反射望遠鏡で撮影したCCD画像から 2つの超新星1997bn、1997boを発見した。 1997bnはかに座の銀河UGC 4329にあり、発見時は16.4等であった。翌日の画像では 16.2等とやや明るくなっていたが、ほぼピークでの発見であった。 1997boはおとめ座の無名の銀河の中に、16.1等と1997bnとほぼ同じ明るさで発見 された。その後の調査では、この超新星は2月中に撮影された画像には現れていな いが、3月1日には既に15.7等で写っていた。その後ゆっくりと暗くなってきていた ところを発見されたようだ。 この2つはII型の超新星で、急に暗くはならないと思われる。

4月6日には、オーストラリアのエヴァンズ氏がおとめ座の銀河NGC 4680に13.8等の 超新星1997bpを発見した。これは今年の超新星の中で、2月1日に富山の青木昌勝氏 によって13.6等で発見された1997Xに次いで2番目に明るい。エヴァンズ氏は31cm の望遠鏡を使って眼視によってこの超新星を発見した。ちょうどピークになっている らしく、9日までの観測では14.0等前後で一定の明るさである。この超新星はIa型 のもので、すぐに暗くなるだろう。

翌7日には、イギリスのステファン・ローリー氏がりゅう座の銀河NGC 3147に16.1等 の超新星1997bqを発見した。ローリー氏は25cm反射望遠鏡で撮影したCCD画像から 超新星を発見した。スペクトル観測によって、この超新星はIa型で、まだピーク に達していない時期に発見されたことが分かった。その後、11日には15.3等と約1等 ほど明るくなっているが、さらに14.5等程度まで明るくなると予想された。実際、 15日には14.65等に達している。また、北京天文台で発見前の3日に撮影された画像 にも18.0等で写っているのが見つかった。

10日には、北京天文台の超新星捜索チームが60cm反射望遠鏡でおとめ座の銀河 ESO 576-40に14.5等の超新星1997brを発見した。翌日に確認したところ、14.2等と わずかに明るくなっていた。1997bqと同じく、この1997brもピークになる前のIa型 の超新星であった。

15日には、リック天文台の超新星捜索チームがしし座の銀河M66に17.0等の超新星 を発見した。これは彼らにとって初めての超新星発見である。その後の観測により、 この超新星はIIn型と呼ばれる特異なものであることが分かった。IIn型の超新星は 今年初めてで、昨年の92個の超新星の中にも2個しかない。また、M66には1973年と 1989年にも超新星が出現しており(1973Rと1989B)、今世紀に3個も出現したことに なる。


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