●20時のルート(印刷用モノクロ星図)

ルート案内

有名な散開星団M45は日本名すばる、西洋ではプレアデス星団と呼び、肉眼で見えるので探す苦労はない。こういった大型の星団は双眼鏡かファインダーで見るのがいちばん。

忘れてしまいそうなうさぎ座の球状星団M79は、うさぎ座β星の南約4゚にある球状星団。南天の天体のためうっかり見過ごしてしまうことがあるので注意。沈むのも早いので、メジャー天体に行く前に見ておこう。明るいが小さいため、にじんだ恒星状か丸い星雲状にしか見えない。

オリオン大星雲M42+M43は肉眼でなんとかわかるので探す手間はない。双眼鏡でも望遠鏡でも楽しめる星雲だが、最高の空のもとで大口径で見るM42はM天体一の圧巻。散光星雲M78は三っ星の右端δ星の東約15゚、左端のζ星からもたどれる。2個の8等級の星を包んだ彗星の頭部のような星雲だ。オリオン座の三っ星は赤道儀を使ってM1やM79などの星雲・星団を探し出すホームポジションとなる。

冬の淡い天の川にうかぶ散開星団M50、46、47、41 はいずれも 、おおいぬ座のシリウスからたどる。まずシリウスから南約4゚がM41。 よく晴れた夜なら肉眼で確認でき、中心のオレンジ色の星が印象的。シリウスをファインダーの視野の西端に寄せて、 約8゚ 北にスライドするとM50が入ってくる。望遠鏡では数十個の星がまとまっていることがわかる。シリウスの東約55'、 わずか1.5゚の間隔で、M46、 M47がある。同じ明るさの星が密集していてきめ細かい印象を受けるのが左側のM46。M47は明るい星がパラパラと集まった大味な散開星団だ。 M47はメシエが1771年2月にM46とともに発見したが、位置を誤って記載したために長い間不明M天体とされてきた。おかげでノルトン星図にはM47は載っていなかったが、今ではNGC2422がこのいわく付きの天体だと確認されている。

M46の南約9゚にある明るく密集度の高い散開星団がとも座のM93。全体が三角形をしていて、彗星のイメージに見えることがある。おおいぬ座のしっぽの星δ星からもたどれる。

オリオン座ε星から北へ約23゚、おうし座の角の先の星ζ星の北西約2゚のところにある超新星残骸M1は「カニ星雲」の名でおなじみ。暗く小さい対象なので双眼鏡では恒星状。望遠鏡では、カニというより、ぼやっとした佐渡島のように見える。このM1から東へ約24'、ふたご座η星の北2゚ にある散開星団がM35。肉眼で確認できるので探すのは簡単。双眼鏡で星雲状の中に星がパラパラ見え、望遠鏡では星が台形に集まっているようすがわかる。ぎょしゃ座の散開星団トリオはβ星の北約7゚ にあるM38からM36、 M37の順で片付ける。M36はM38の南東約3゚ M37はM36の南東約4゚だ。ファインダーの視野には必ず2つは入っているので難しくはない。

うみへび座の散開星団M48は、こいぬ座のβ星とプロキオンからたどることができる。まわりに目印になるような星もなくなんとなくとり残された感じの星団だが、よく晴れた夜なら肉眼で確認できるほど明るい。ところでこのM48は、M47と同様1771年2月にメシエが発見した天体だが、記載位置にはそれらしき天体が存在しないという不明天体のひとつ。しかしメシエの記述をもとに調べた結果、メシエが記録した位置から4゚南にあるNGC2548が、M48だと確認された。