Part-4 観測地決定への道


 それでは、晴天の空のもと、しし座流星群を眺めるには、どう気象情報を駆使すればよいでしょうか? その方法を時間順にあたってみました。

● 2週間前まで
 週間予報が出る前のこの時期では、気象統計資料のみが頼りです。前述のように、気象条件からは日本海側よりも太平洋側の方が統計的には有利といえます。しかし太平洋側は大都市が多く空の明るいところが多いのも事実です。比較的空の暗い日本海側で晴天率が低いのは、なんとも皮肉といえましょう。

● 1週間前
 1週間前になれば、週間予報が発表されます。あまりあてにならないことで有名(?)な週間予報ですが、見るべきは、晴天傾向か曇天傾向か(晴れベースか曇りベースか)、または周期変化傾向かです。そして、気圧配置が前述のどのパターンになりそうかをつかみます。週間予報が外れるのは、気圧配置のパターンはあっていても、天気の進み遅れの読みが外れてしまうことが多いからです。また、週間予報はいったん外れたら、ガラッとその後の傾向が変わってしまいますので注意しましょう。
 ちかごろの新聞の天気欄には、全国各地の週間予報が出ているものが多くなりました、週間予報の入手は新聞がもっとも容易です。インターネットに接続できる人は、新日本気象海洋のサイトにて、1週間後までの予想天気図が掲載された週間予報天気図(週間解説予想図)を見ることができます。これをもとに前述の気圧配置と晴天域の関係を当てはめてみてみましょう。
 また、海洋気象情報では、予想天気図を通常の週間予想天気と並べてみることができ、わかりやすいです。

● 2,3日前
 3日前になれば、各地の明後日の予報が発表され、かなり的中率も上がってきます。予想天気図も24時間後、48時間後がアップされ、それを元に晴天域の予想も出きるようになります。Web では、国際気象海洋の3時間ごと卓越天気(36時間後まで)、ウェザーニューズの3時間ごと予報(最大36時間後まで)、TBS の日本全国20kmメッシュ予報アニメなどが“使え”ます。いずれも3時間ごとのメッシュ予報の天気分布をもとにしていますので、通常の府県予報より時間的空間的にきめの細かい情報が得られます。都市内の公園などでしし群を観望されるのでしたら、asahi.comの各都市の天気がよいでしょう。全国の気象官署所在地の詳細な気象情報が得られます。また、県庁所在地などに限られますが、3時間ごとの卓越天気予報が出ている新聞もあるので、これも参考になります。

● しし群当日
 いよいよしし群当日です。天気図、ひまわり、Webの情報を駆使して、どちら方面に動けばよいかを判断することになります。問題は雲域晴天域の読みです。ひまわりアニメの変化傾向を把握して、しし群出現の時間帯に雲がどう分布しているかを予想します。その際には、天気概況解説を聞いて、高低気圧・前線の移動方向とその発達・衰弱傾向の情報を参考します。昨年は天気予報の枠内にて、しし群を見るにはどこがよさそうか特別に予想している番組を多く見かけました。今年もしし群特別天気解説があることを期待しましょう。

 1日の中には気象庁からの発表に合わせて、各局の天気予報が集中する時間帯があります。早朝、7時前後、12時前、19時前、21〜23時です。19時前以降は名物天気キャスターが登場したりして、各局特色ある予報合戦が繰り広げられます。ですが、17時の退社後すぐにしし群を見に出かけるとなるとすでに移動途中の時間かもしれません。12時前各局と15時NHKの天気予報が判断の分かれ目になることでしょう。Web上の現在天気の掲示板ライブカメラにて、移動先の天気を把握しておくのもよいでしょう。

 出かけた後は、液晶テレビが有効です。移動中の最終目的地決定や、行った先が曇っていた場合、動くか残るかの判断にも使えます。やはり、テレビの天気解説がもっとも情報が早く充実しています。小さく軽いものは1万円台から購入可能なので、とくに山に入る人にはオススメです。また、モバイルPCがあれば、天気予報の時間に制約されることなく、いつでも最新の気象情報を引き出せます。ただ、携帯電話での通信速度は遅めで、気象情報のトップページからたどると、必要な情報にたどり着くまでにかなりの時間がかかってしまいます。そこで、余計な情報を表示しないように、各種気象最新画像にブックマークを直接張っておくとよいでしょう。

 最後に、実際の天気にはその地域特有の小スケールの現象もきいてきます。冬型が強くなると八ヶ岳では雪になる、晴れてても明け方には霧が出やすいなどなど、その地域のいわゆる天気のクセと呼ばれるものです。これは、地形条件などからある程度推定することもできますが、何度も足を運び、大局的な天気とその地域特有の現象の関係をあらかじめつかんでおくのがよいでしょう。

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