星空観望会in軽井沢‘97

ーリゾートホテルにデジタル機器が大集合ー


Picture  日本のアマチュア天文家の間でも、CCDカメラを用いて星空を観測するといった”デジタル化”の波が急速に広がってきている。しかし「デジタル」と聞くと、星空を見上げて楽しむといった従来のスタイルから遠ざかりそうで、なかなか気が進まない方もいる。これは、デジタルのメリットがまだよく知られていないからではないだろうか。
 そこで、こうしたデジタル機器を実際に使い、星を見てみようというイベントが、日本有数のリゾート地、軽井沢にて5月31日〜6月1日に催された。
 今回のイベント、その名称を「星空観望会in軽井沢‘97」というが、実は去年催された「第1回デジタル観望会in軽井沢」の名称を改めたものだ。名称変更の理由は、「様々な方法(手段)で、星空を楽しもう」という趣旨からきているという。つまりデジタル機器を使った観測も、星を見て楽しむための方法の一つというわけだ。
 観望会の会場は軽井沢のリゾートホテルのテニスコートに設けられ、イベントを主催した12のメーカーや販売店のブースには、望遠鏡やパソコンなどがところ狭しと並んでいた。
 イベント当日は雨が降ったり止んだりのあいにくの天気となってしまったが、それでも参加者は200人余りを数え、皆さん各ブースを周っては、熱心に質問をされていた。これは「デジタル」という新しい観測方法に多くの天文ファンが興味を持っているという証拠であろう。
 私も今回は主催者側の一人としてブースの中から参加者の皆さんとお話をする機会を得ることができた。その際、先日のミード・インスツルメンツ社長、ディエベル氏が来社された際に「今後5年以内に全てのアマチュア天文家はCCDを使うようになるでしょう」と言われていたことを思い出した。会場での参加者皆さんの関心の高さからは、全てのユーザーがCCDを使うまでに5年もかからない、と思えるほどであったのだ。
 また会場では、デジタルカメラや電子手帳があたる大抽選会も行なわれ、参加者の皆さんは新緑の眩しい軽井沢にて、楽しい週末を過ごされたようだ。
 デジタル天文学の分野は日進月歩の進化を遂げている。来年、どのような機材や新しい技術が発表されるのか。今から楽しみである。


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