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夕空に0等級の大彗星!


5月3日に発見された新彗星SOHO(C/1998 J1)が、夕空に0等級で見られるかもしれない。

この彗星は、5月3日に撮影された太陽観測衛星SOHOのコロナグラフに、0等級の明るさで写っていたものだ。 その後の軌道計算で、5月8日に太陽に最も近づいた後、中旬から下旬にかけて夕方の空で見られる可能性があることが分かった。 予想では、5月11日頃に-1等級の明るさで現れ、次第に暗くなりながら、5月下旬まで地平線すれすれ のところに見えるようだ。 日本から最も高く見えるのは5月16日頃で、その頃の明るさは1等級である。 しかし、彗星は薄明が終了する前に沈んでしまう。 そのため、まだ空が明るいうちに探さなくてはならず、条件が悪い。 5月中旬をすぎると更に暗くなる上、再び低くなっていくため、20日頃までがチャンスであろう。 ちなみに彗星は南天に移動していくので、南半球ではずっと良い条件に恵まれる。

夕空の彗星の動き

星座中の彗星の動き

SOHOはこれまで45個もの太陽に接近した彗星を発見している。 そのうちの43個は太陽の表面をかすめるクロイツ群のメンバーだ。 しかし、いずれも太陽に近づいた時だけ明るくなる小彗星で、 我々が地上から見られる彗星はこれまで発見されていなかった。 昨年5月には、C/1997 H2 が今回と同じように夕空で見られるかもしれない、と 期待されたが、ついに観測されなかった。 今回の C/1998 J1 はそれよりもずっと明るいため、観測成功の期待が高まっている。


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