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新彗星 C/1998 H1(Stonehouse)

国立天文台・天文ニュース (172)


【1998年4月30日 国立天文台天文ニュース

 久し振りに、眼視で新彗星が発見されました。4月22日に、アメリカ、ミシガン州、 ウォルバライン(Wolverine)のストーンハウス(Stonehouse,Patrick L.)が、口径44セン チの反射望遠鏡で発見したものです。彗星は12等の明るさで、「へび座(頭部)」にあっ て、北西に移動しているということでした。コマは拡散状で、僅かに中央集光があると 報告されています。初めの報告は位置の精度が不十分であったため、確認観測にちょっ と手間取りましたが、発見者のその後の報告に基づいてさらに捜索がおこなわれ、確認 されました。確認観測では、10分ほどの長さの尾が南々西に伸びているのが見られてい ます。この彗星の認識符号は C/1998 H1 で、通称はストーンハウス彗星です。

軌道図

 これまでの観測から求められた暫定放物線軌道と、それに基づく予報位置はつぎのと おりです。今後は地球からも太陽からも遠ざかりますから、特に明るくなることはあり ません。

近日点通過時刻 = 1998 Apr. 14.205 TT近日点引数 = 1ĉ.146

昇交点黄経 = 222ĉ.103 (2000.0)
近日点距離 = 1.48678 AU軌道傾斜角 = 104ĉ.668

   日付       赤経(2000.0)赤緯   地心距離  日心距離  太陽離角  明るさ
   1998       時  分   度 分         AU        AU          度      等
    May  2  14 52.47  +24 30.0     0.589      1.508      140.0    10.6
         7  14 20.75  +33 24.7     0.667      1.521      129.2    10.9
        12  13 52.25  +39 33.7     0.766      1.537      119.3    11.3
        17  13 27.92  +43 37.8     0.878      1.557      110.8    11.6
        22  13  7.95  +46 16.7     0.997      1.579      103.5    12.0
        27  12 52.05  +47 59.5     1.121      1.603       97.3    12.3
   June  1  12 39.71  +49  5.8     1.245      1.630       91.8    12.6
         6  12 30.36  +49 48.4     1.369      1.660       86.9    12.9
        11  12 23.50  +50 15.2     1.492      1.691       82.5    13.2
        16  12 18.68  +50 31.5     1.611      1.725       78.5    13.4
        21  12 15.55  +50 40.8     1.728      1.760       74.8    13.6
        26  12 13.85  +50 45.4     1.841      1.797       71.4    13.9

経路図

参照 IAUC 6883(Apr.26,1998)

IAUC 6884(Apr.26,1998)

IAUC 6887(Apr.28,1998)

MPEC 98h29(Apr.27,1998)

      1998年4月30日        国立天文台・広報普及室


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