以前、天文ニュースのコーナーでもお知らせした、PHOTO EXPO’98(東京会場)が、さる1998年2月27日〜3月1日にかけて催された。スカイウオッチャー編集部でも2月27日に東京会場に出向き、取材を行なった。この模様を、最新情報とともにお届けする。
デジタル関連のブースはどこも大盛況 |
まず目についたのは、デジタル関連機器の展示の多さと、その盛況ぶりだ。各ブースには、最新のデジタルカメラをはじめとして、フィルムスキャナ、プリンタなど、関連商品が多く展示されており、黒山の人盛りとなっていた。100万画素オーバーはもはやあたり前となり、キヤノンEOS D2000などの200万画素CCDを採用したもの、マミヤ/メガビジョン645PRO TLデジタルカメラバック(写真左)のように、400万画素CCDを使用した中判カメラまで登場してきている。一時期、デジタルカメラの階調のなさを指摘する声もあったが、ダイナミックレンジは、RGB各色12bit36Bitカラーがすでに標準になりつつある。RGB各色16bit48bitカラーの実現ももはや時間の問題だろう。あとは、感度と記憶媒体、それになんといっても低価格化を望みたい。 |
天体望遠鏡メーカーのブースも盛況であった。上写真は、ペンタックス75SDHF+MS-3N赤道儀に、高性能アメリカンサイズアイピースXLシリーズをセットにした、ペンタックス75SDHF-XLセット。左写真のミードのブースでは口径90mmの卓上望遠鏡、ETX90を展示していた。 |
ビクセンのブースでは、昨年はJTBショーで参考出品として展示されていた、フォーク型のHF経緯台にスカイセンサー2000と口径125mm対空双眼鏡を組み合わせたものを展示していた。(写真左)これは、観望・観測に快適そうだ。ビクセンはスカイセンサー2000を軸に、オートガイドアダプターAGA-1や、天体用CCDビデオカメラなど、積極的に電子化をとりこんでおり、これからの動向がひじょうに楽しみなメーカーのひとつだ。 デジタルカメラに押されぎみの銀塩カメラであったが、レンズを中心にいくつかの新タイプが発表された。まず、ペンタックスのブースでは、AF中判カメラ・ペンタックス645Nをはじめ、ひさびさに追加された、ペンタックス67用新レンズ55-100mmF4.5ZOOM、100mmF4マクロ(天文ニュースのコーナー参照されたい。)などが展示されており、話題になっていた。 |
広角系では、タムロンから、SP-AF14mmF2.8Aspherical[IF]魚眼レンズが、マミヤからは超低分散、異常分散ガラスを6枚使用した高性能超広角レンズ645用35mmF3.5が、望遠系では、ニコンのAF-SニッコールED400mmF2.8などが参考出品され、目を引いていた。 新しく発表されていた製品は比較的光量の豊富な、月惑星以外には、使えそうもないデジタルカメラや、レンズでは、ズームや、AFなど、天文用に不安が残るものが、ほとんどだった。こういった傾向は回を重ねるにつれ顕著になっているように思える。われわれ天文ファンにはよい傾向とはいえないが、新しい技術は、過去の技術のノウハウの上になりたつものだ。新しい技術のよい点はうまく吸収して、よりステップアップすることが、これからは重要かもしれない。 最後に、PHOTO EXPOでは、写真教室や、モデル撮影会、右写真のような可愛いお姉さんが迎えてくれるスタンプラリーなど、イベントもおおいに楽しめる。 |
残すところ名古屋会場での開催のみとなったPHOTO EXPO’98だが、
このレポートを見て興味を持った方は、ぜひ参加してみていただきたい。
なおプログラムなど詳細な情報はPhoto NAVIホームページを参照のこと。
●名古屋会場(名古屋市吹上ホール)
1998年4月3・4・5日開催
Photo NAVI ホームページ
http://www.photo.gr.jp/