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天王星の衛星を発見


【1997年10月31日 IAUC 6764, IAUC 6765

Canadian Institute for Theoretical Astrophysicsのグラッドマン(B. J. Gladman)、 コーネル大学のニコルソン(P. D. Nicholson)、バーンズ(J. A. Burns)、マクマスター 大学のカバラーズ(J. J. Kavelaars)らは、9月6日と7日に、パロマーの5mヘール 望遠鏡にCCDをつけて天王星を撮影し、2つの新しい天王星の衛星を発見した。 これらは S/1997 U 1、S/1997 U 2 と符号が付けられた。 S/1997 U 1 は21.9等、S/1997 U 2 は20.4等である(R等級)。

中央局の要請を受け、オフト(W. Offutt)は10月下旬に5m反射望遠鏡でこれらの 衛星の観測に成功した。 トーレン(D. J. Tholen)もハワイ大学の2.2m反射望遠鏡で撮影に成功し、これらの 観測から、ハーバード・スミソニアン・センターのマースデンとウィリアムズ が軌道を計算した。 それによると、S/1997 U 2 はかなり偏心した楕円軌道上を回っているようだ。 また、これらの衛星の半径は約40km、約80kmと推定されている。

木星や土星、海王星には、いずれも惑星直径の200倍を越える大きな軌道を回る 衛星がある。これに対して天王星には、惑星から遠いところには衛星が見つか っていなかった。 天王星の衛星は、これまで見つかっていた最も大きな軌道を持つオベロンでもそ の軌道の大きさが惑星本体の23倍でしかなかったが、今回初めて200倍を越える 大きな軌道を持つ衛星が見つかったことになる。


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