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太陽観測衛星SOHOが新彗星C/1997 H2を発見


【1997年 5月 9日 IAUC 6650, M.P.E.C. 1997-J05
4月29日から5月4日にかけて彗星が太陽付近を横切っていく様子が、 太陽観測衛星SOHOの広角分光コロナグラフLASCOによって捉えられた。 これはSOHOが発見した8個目の新彗星で、C/1997 H2(SOHO) として登録された。



発見時の太陽との位置関係

計算された軌道要素によると、この彗星は5月2日に近日点を通過し、その時太陽 に0.14AUまで接近したことになる。 発見時の明るさから推定された絶対等級は10等前後と小さい彗星である。 通常この程度の彗星が太陽に0.14AUまで近づいた場合は消滅してしまうことが 多かったが、この彗星は消滅せずに生き残っている。 発見時の位置の測定精度が悪く、軌道要素は極めて不確実だが、彗星は今後下の図 のように移動し、やがて夕方の西空に現れてくる。 予報光度は9等級であり、地上からの観測も期待される。 また5月中旬頃には、低空ながらもヘール・ボップ彗星に3°まで接近すると 予想されている。



日没後1時間半の彗星の位置

※ SOHOは1995年12月にNASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)が 共同で打ち上げた太陽観測衛星。
SOHOについて詳しくは、Naval Research Laboratory の SOHO/LASCO のホームページを参照。

http://lasco-www.nrl.navy.mil/lasco.html


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