【1997年 5月 5日 NASAプレスリリース 97-89】
NASAは、ヘール・ボップ彗星のイオンテイルが乱れるかもしれないという予測を 発表した。
これは、NASAの国際太陽地球物理学プログラムチームが明らかにしたもので、
彗星が太陽のまわりに存在する「カレントシート」と呼ばれる領域を通過するとき、
イオンの尾が乱れる可能性があることを指摘したもの。
「カレントシート」とは太陽の電磁波が方角を変える場所のことで、
これは太陽の赤道面に当たる。ヘール・ボップ彗星は太陽の赤道面を北から南に
横切るため、この「カレントシート」上を通過し、
太陽の電磁波の影響を受けイオンテイルが乱れる可能性があるという。
NASAではこうしたイオンテイルの乱れを観察することで、太陽風の性質をも 知ることのできる貴重な機会であるとし、世界中のアマチュア天文家にも ヘール・ボップ彗星のイオンテイルの観測を行うよう呼びかけている。