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SOHO探査機による太陽風とクロイツ群の彗星のムービー


【1997年 2月14日 NASA RELEASE 97-28】
NASA-European Space Agency Solar Heliospheric Observatory (SOHO) 探査機 が昨年12月22日から27日にかけて撮影した画像を動画にしたものが公開された。

この動画では、いて座のM8付近の天の川の星々の前を太陽が移動していく様子が 良く分かる。 太陽からはあらゆる方向に、絶えず太陽風が吹き出している。 また、太陽をかすめる彗星群(通称クロイツ群)の一員である SOHO 6 彗星が、 南から現れ、太陽の後ろ側にまわって消滅する様子も捉えられている。 最後に、太陽から大規模なガスの放出も起こる。

この画像は、SOHOの可視光域のコロナグラフ LASCO で撮影された。 LASCO は太陽をマスクして強烈な光が入らないようにすることができる。 そのため、太陽風やコロナといった太陽の回りの現象や、さらには太陽の背景に ある星、星雲、天の川や、さらには地上からは太陽に近すぎて見えない彗星も 見ることができる。

この動画では、イオン化されたガスである太陽風が画面の端からはみ出している。 これは、太陽表面から2000万キロメートルのところまで到達していることになる。 一般に太陽はかなり静かな恒星であると思われていたが、実際のところ、LASCO は さまざまな規模の爆発現象をたくさん、ほぼ1日に1回くらいの割合で観測 している。 そのため科学者たちは、コロナの放出がどのようにして起こっているのかを再考する 必要に迫られている。

画像中に写った彗星は、LASCO によって観測された太陽をかすめる彗星群の 7つの彗星の1つで、SOHO 6 と呼ばれる。 この彗星は12月22日に現れた。 太陽を隠しているマスクの後ろに隠れた後は、消滅したらしく、再び現れてはこない。 LASCO では、昨年5月初旬の頃に、太陽の後ろを通過する百武彗星を捉えることに 成功している。

画像中では、画面の中心にある白い丸が太陽である。 それよりも大きい黒い影はマスクである。 上が北になる。 SOHO は地球と一緒に太陽の回りを回っている。 この画像では、SOHO は右(西)に移動しているため、太陽は恒星に対して左(東)に 移動しているように見える。 画像の横幅は太陽直径の約32倍(16°)である。

詳しくは、Naval Research Laboratory の SOHO/LASCO のホームページを参照。

http://lasco-www.nrl.navy.mil/lasco.html

QuickTime ムービー


SOHO 6 の写っているフレーム





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