スカイウオッチャー 3月号
2月5日発売 定価 620円

4月号


SW 97/03 表紙

特集

ヘール・ボップ彗星観測ガイド

 ○2月から3月のHB彗星観測ガイド
 ○HB彗星写真撮影法
 ○HB彗星関連イベント案内


おもな記事

 天文学最前線「月の南極に眠る氷」
 機材テスト 「ビクセン125mm双眼鏡三姉妹」
 インタビュー「佐々木一男さんフォトコンテスト20点」
 航海者と星 「南天星座のロマンと謎」
 注目天文現象「3月9日、部分日食直前ガイド」

ツアー案内

 カナダ・フィンランドでHB彗星とオーロラを見よう


表紙写真

97年になって早朝の東天に顔を見せ始めたヘール・ボップ彗星は、 火星軌道の内側に入ったこともあり、青みがかったイオンの尾と、 黄色っぽいダストの尾がより発達してきているのが観測された。 今後、さらに太陽と地球に近づき、より明るく、より尾が長く、 より大きくなることを期待したい。

ヘール・ボップ彗星画像:1997年1月17.204UT(H2O+フィルター)5分 17.209UT(ダストフィルター)5分の2画像をカラー合成  180mmF2.8+ST6 画像の横スケールは2.5゜ 撮像/Herman Mikuz(Crni Vrh Observatory スロベニア)

観望会のようすは昨年11月16日に行われた第9回誠報社富士山大観望会にて。 撮影/飯島 裕


特集 ヘール・ボップ彗星観測ガイド

いよいよ今世紀最大の巨大彗星と前評判のヘール・ボップ彗星(HB彗星)が 観測本番を迎える。この特集では「2月から3月のHB彗星観測ガイド」として 地平星図や詳細星図、高度・方位変化図などを使って多角的に観測ガイドを展開。 ヘール・ボップ彗星がいつ、どこに、どんな風に見えるかを天文ビギナーでも わかりやすい表現で完全シミュレート。

さらに「HB彗星写真撮影法」では、三脚とカメラだけで撮れる固定撮影から 望遠鏡を使った追尾撮影までを解説。「HB彗星関連イベント案内」では 全国各地で行われる観望会や講演会を網羅するなど、 HB彗星を楽しむための情報が満載。

おもな記事

○天文学最前線「月の南極に眠る氷」惑星地質研究会/白尾元理

月は大気も水も無い死の世界と考えられていたが、アメリカの月探査機 クレメンタインの電波観測によると、月の南極地域に氷が存在する可能性が あるという。月の南極地域に広がる深いクレーターの内部には一年中まったく 太陽光線が当たらない部分があり、ここに氷があるらしいのだ。 この氷は月に衝突した彗星か水に富む小惑星からもたらされたのではと 考えられている。

○機材テスト「ビクセン125mm双眼鏡三姉妹」編集部+光学系向上委員会

星空を自分の目で楽しむには双眼鏡がいちばん。 今月の機材テストでは口径125mmの大型双眼鏡を3機種とりあげた。 機種はビクセンの30×125・20×125・50×125対空双眼鏡の3本。 大口径の集光力と高い倍率で見る双眼視界は、コンパクトな双眼鏡での 気ままな星空散歩や単眼望遠鏡とはまた違った魅力がある。 この大型双眼鏡三姉妹の比較観望を行い、三姉妹三様の個性を探ってみた。

○インタビュー「佐々木一男さんフォトコンテスト20点」田中千秋+編集部

今回インタビューにうかがった岩手県水沢市の佐々木一男さんは、 小学生のころからの天文ファンで、観望・写真撮影など30年来の キャリアがある。スカイウオッチャーのフォトコンテストでは月や惑星を 中心に入選を続けてきたが、どんな機材でどんな撮影技法を用いているのかを 紹介しつつ、父親として家庭人と天文趣味をいかに両立させているかなど、 天文人生を語ってもらった。

○航海者と星「南天星座のロマンと謎」天文博物館五島プラネタリウム館長/村山定男

南十字星、大小マゼラン雲、ケンタウルスα星……。 未知の世界への憧れを誘う南半球の星々。しかし、この南天の星空に星座が 設けられたのはそう古い話ではない。15世紀以降、 大型の帆船で新航路の開拓に船出したヨーロッパの航海者たちは、 夜毎高度を増す未知の星空を見上げながら、そこに12の星座を新設する。 この新星座の創設に関しては、従来から語られる以上に多くの謎が 含まれていたのだ。

○注目天文現象「3月9日、部分日食直前ガイド」あさだ考房/浅田英夫

3月9日には、モンゴルからシベリアにかけて皆既日食が起こり、 日本でもこれに関連して部分日食が全国で見られる。欠け具合は 北の地方ほど大きいが、東京でも食分0.633と三日月状に欠けた太陽を 見ることができる。記事では各地の部分日食予報と安全に観測するための 方法や写真撮影法も紹介。


○フィンランドでHB彗星とオーロラを見よう

日通旅行の主催のヘール・ボップ彗星&オーロラ観測ツアーは フィンランドへ出かける。観測地は北緯67度を越える北極圏の ウッラス高原。ここでは彗星の北中高度は20度を越え、 一晩中観測可能な地平高度を保ち、北斗七星がほとんど頭上に輝き、 日本とはまた異質の星空を楽しめる。今は太陽活動の静穏期で、 一晩中オーロラの光で彗星が見えないということもなく適度に ヘール・ボップ彗星とオーロラの両方を観測することができる。

日程・代金/3月26日昼〜4月2日午前(成田発着)の8日間コース・275,000円
      3月26日昼〜3月30日午前(成田発着)の5日間コース・198,000円
旅行主催/日通旅行新宿支店
申し込み・問い合わせ先/日通旅行新宿支店 村上誠一・傍島崇元(電話:03-3369-0182)

5日間コースは観測地のウッラス高原に3泊、8日間コースは4泊し ヘール・ボップ彗星とオーロラを存分に観測できる。さらに8日間コースは、 帰路にサンタクロースの故郷・ロバニエミ、ヘルシンキの観光も楽しめるという おまけ付き。なお、スカイウオッチャー編集部のスタッフも取材同行の予定です。


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