今回の土星食について

2001 年 10 月 8 日未明、土星が月に隠される「土星食」が起こり、北日本で見られます。 土星食が日本から見えるのは 1997 年 10 月 16 日以来、4 年ぶりのことです。

約 2 ヶ月前の 8 月 16 日には木星食があり、私たちに感動的な天文ショーを見せてくれました。 今回の土星食は、土星の本体だけでなく環も隠される様子を見ることができるので、前回の木星食以上に美しく幻想的な天文ショーとなります。 また、月齢や土星の環の開き具合といった条件がよく、ちょうど土星が南中する頃に食が始まるので、非常に好条件のもとで土星食を観測することができます。

今回の土星食が見られる地域は次の地図で示されている地域になります。 境界付近のより詳しい図（jpg 画像、247KB）や限界線の緯度・経度のデータも合わせてご覧ください。

このうち、土星が部分的に月に隠される（接食が起こる）地域では、月の端から土星の一部が見えるという面白い様子を見ることができます。 また、土星食とならない地域でも、月と土星の大接近という迫力のある天文現象を見ることができます。

食の時間と見え方

食の時間

ここに掲載しているのは、土星の環の潜入開始時刻と出現終了時刻です。 土星本体の潜入は、環に比べて 1 分程度遅れます（逆に、出現は早くなります）。

札幌での潜入時の星空

月と土星の位置関係

ステラプレイヤーでシミュレーション

インパクぐんまパビリオン内（インパクは終了いたしました）の『宇宙科学館』から「星空実験室」へ進んでいただくと、日本各地での土星食の見え方を詳しくシミュレートすることもできます。 （シミュレーションをご利用いただくためには Windows コンピューターが必要です。 また、ステラプレーヤーのインストールも必要です。 インストール方法はリンク先の解説をご覧ください。）

観望の仕方

観望は肉眼や双眼鏡、スポッティングスコープでもできますが、食の詳しい様子を観望したいなら望遠鏡を使うことをおすすめします。

また、土星食の様子を写真やビデオで撮影するのも面白いです。 機材をお持ちの方は、ぜひ挑戦してみてください。

望遠鏡での観望

観望は、口径 5cm の望遠鏡で 50〜100 倍の倍率でも可能です。 口径が 10cm の望遠鏡で 200 倍程度で観望すれば、環のある土星がジワジワと月に吸い込まれていく様子を見ることができます。 潜入時刻の 1 時間ほど前から観望を始めると、土星が月に接近していく様子がよくわかり、臨場感あふれる観望が楽しめます。

写真撮影、ビデオ撮影の方法

土星が潜入または出現するようすを望遠鏡で拡大撮影すれば、環をともなった土星がジワジワと月の後ろに消えていく様子をとらえた神秘的な写真を撮ることができます。

撮影のポイントは、拡大率をできるだけ大きくして、画面に月をたくさん入れないような構図にすることです。 これは、光度差のあるものに対してフィルムは目ほど許容範囲が広くないため、月が明るすぎると土星が写らなくなってしまうからです。 露出時間は、土星が写らなくては意味がないので、土星に合わせましょう（月に対しては露出オーバーになってしまいます）。 また、撮り直しはできないので、いろいろな露出で撮影しましょう。

デジカメやビデオカメラでの撮影なら、リアルタイムで撮影結果を確認することができ、撮影の失敗を（ある程度）防ぐことができます。 撮影方法は接眼レンズをつけた望遠鏡をカメラでのぞいて写すコリメート撮影法です。

ライブ中継

できれば食の見られる所まで出かけていって実際に観望したいところですが、様々な理由で出かけられない人も多いでしょう。 そんな時は、インターネットでのライブ中継を楽しんでみましょう。 家にいながらにして土星食を見ることができます。

土星食ライブ中継サイト

• インパクぐんまパビリオン（群馬県）の土星食ライブ中継ページ：http://www.inpaku.go.jp/gunma/ocsat/index-j.html（インパクは終了いたしました）

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