HALLEY's NewsWatch

HALLEY's NewsWatch は、
新聞やテレビで見た天体に関するニュースについて、
感じたことを書いています。



★木星探査機ガリレオが衛星イオの火山活動を撮影


 1996年7月19日の読売新聞夕刊によると、木星の活動的な衛星イオの姿を接近中の米航空宇宙局の木星探査機ガリレオが撮影したという。その表面は、17年前に接近した惑星探査機ボイジャー1号、2号の撮影したものと比べると劇的な変化を見せていたという。
 このガリレオの撮影したイメージでは、イオの特徴とも言える火山地域と赤味を帯びた火山からの噴出物が良く分かる。イメージは北が上であり、東側から太陽光が照らしている。
 イメージ上で識別できる最も小さなものは約23キロメートルほどで、ボイジャーによって撮られた最高画質のイメージに匹敵する解像度が得られている。
 なお、撮影日は1996年6月25日、イオから224万km(140万マイル)の距離から撮影されたもの。
 ボイジャーの時は、テレビ中継があったりで、ワクワクしながらテレビにかじりついていた記憶があるけど…今回は…。それにしても近接写真はやはり素晴しい。



★地球の内核は自転より速く回転してる?


 1996年7月18日の読売新聞によると、米コロンビア大学の地震研究者グループによって、地球中心にある内核(鉄の塊)が、地球の自転より速く回転していることが観測されたらしい。イギリスの科学誌「ネーチャー」に掲載された論文によると、同大学のポール・リチャード博士らの研究グループは、南サンドウィッチ諸島(南極に近いそうだが…どこだろう?サンドウィッチ諸島ならハワイ諸島の旧称なんだけど)で1967年から1995年までに発生し、アラスカでキャッチされた38回の地震波を分析することで、内核の速度が1日当たり3分の2秒自転より速く、百年間では4分の1周速く回っていることを発見したという。
 地震波なんて結構曖昧な伝わり方をするものだ、と勝手に思い込んでいた私としては、地震波を分析することで1日当たり0.66秒ほどのわずかな動きをキャッチできるなんて…かなり驚いたたニュースでした。


★『巨人の星』は、こいぬ座プロキオン


 1995年10月15日の読売新聞に、こんな見出しで、北海道の初山別村がまとめた調査レポートの紹介がのっていた。それによると、梶原一騎原作による、あの野球漫画「巨人の星」の中で、父一徹が指さす先に輝いていたのは、こいぬ座のアルファ星プロキオンだったというものだ。
 うーむ。あのちょっと弱々しい輝きをもつプロキオンが「巨人の星」では何かイメージが違っちゃうよね。確かに1等星だけど…すぐ近くに全天で最も明るいおおいぬ座のシリウスが輝いているし、オリオン座のベテルギウス、リゲルだってあるじゃないの…。
 それに「巨人の星」って、「巨人軍の星座」の中にあって「真っ赤に燃えて」いるんじゃなかったの?
 私個人としては、巨人軍の星座は『オリオン座』、巨人の星は赤色巨星『ベテルギウス』ってことにしておきたいなあ。巨人軍の星座には明るいスターがたくさんあって…いかん、だんだんみじめになってきた。


★インド−タイ日食報道について

 1995年10月24日にインドからタイにかけての東南アジア各地で皆既日食が 見られたが、新聞、テレビ各社の報道の中には結構面白いのがありましたね。
 まず、トップバッターは天下のNHKのニュースです。7時のニュースの 冒頭で、皆既日食の映像とともに写し出されたテロップは、何と「アジア各地で 金環日食」となっていました。御丁寧にアナウンサーまでしっかりと 「金環日食が見られました」と…番組の最後(?)にお詫びが入ったことは いうまでもありません
 はい、NHKでもこんなことあるんですねえ。びっくりしました。
 思わず目が点になっちゃいました。
 さて、お次は新聞です。朝日新聞は24日の夕刊で今回の皆既日食を取り上げて いますが、その見出しは『聖地に祈り「黒い月」』、ニューデリーで撮影された 細くなった太陽の写真はあるものの、コロナの写真はありません。
 25日の朝刊にはカラー写真が載っていました。タージマハールをシルエットに欠けてゆく 太陽を連続撮影したものです…が…これにもコロナは写っていません…。これじゃ、ただの 部分日食の写真じゃあないですか。しかも、この写真はロイター送信したもので…特派員は どうしたの?  一方、読売新聞は24日の夕刊に『40秒の神秘』の見出しで第一報!
モノクロ写真ながら皆既日食のコロナの写真が掲載されています。翌25日の朝刊では 『太陽の首飾り』の見出しで、こちらもカラーの連続写真を掲載。カンボジアの アンコールワットの遺跡のシルエットに、欠け行く太陽が並び、こちらはきっちりと 皆既中のコロナも写し出されていました。  このところ科学面に関しては、読売新聞の方が充実しているように感じていたのですが、 今回の日食で確信をもちました。
 何はともあれ、今回の日食報道、タージマハールVSアンコールワットはアンコールワットの 勝ちということですね。朝日新聞さん、もう少しがんばってね。



★大流星群アメリカで観測?


 1995年8月26日(土)の読売新聞によると、米ミシガン州から ニューヨーク州にわたる640キロもの範囲で大流星が観測された という。
 流星は8月25日午前0時30分ころに数秒間観測され、警察や 消防署には、航空機事故と勘違いした人などから緊急通報が殺到 したらしい。米オハイオ州クリーブランドの米海洋大気気象課では、「この時期に典型的な流星群とみられる」と話しているという。また、カナダのオンタリオ州ウィンザーでは、無人の移動式住宅 をビーチボールの3倍もある隕石が直撃したという。

 以上がその記事だが、この記事の見出しは冒頭の、

大流星群 米で観測

って奴なんですね。「大流星群」の部分が活字が大きくて 誰が見たって、流星がバンバン飛んだみたいじゃないですか。 で、良く読めば分かるんだけど、たくさん飛んだわけじゃないみたいですよね。記事を見る限りじゃせいぜい2個でしょ。 1個は航空機事故と間違えられるほどの大流星で、もう1個は ウィンザーに落ちたビーチボール3個分もある隕石で、トレーラー 式住宅を直撃した−っていうんでしょ。
 これって、ぜんぜん大流星「群」じゃないし、見出しにするん だったら絶対に「隕石落下」の方だと思うんだけど…。それにしても、 ビーチボール3個分っていったら直径1メートルくらいでしょ。 そんなもんが落ちたら大変だよね。結構大きな被害があると思う んだけど…続報はないしなあ。気になるなあ。
写真は夏の風物詩の一つ?「ペルセウス座流星群」の流星ですが、 本文とは全く関係ありません。


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