急速に縮む木星の大赤斑

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【2014年5月19日 NASA

木星のトレードマークともいえる大赤斑は、大気表面で吹き荒れつづける巨大な嵐だ。この大赤斑が、近年急激な勢いで縮小している。


ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した木星の大赤斑

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した木星の大赤斑。1995年、2009年、2014年の画像を比較すると、縮小しているのがわかる。クリックで拡大(提供:NASA/ESA)

木星のトレードマークとなっている大赤斑は、大気中で起こる高気圧性の突風が長年持続しているものだ。かつてその幅は4万kmを超え、直径約1万3000kmの地球がすっぽり3つおさまるほど巨大なものだったが、1930年代からそのサイズの縮小が観測されてきた。1979年の探査機「ボイジャー」1号と2号のフライバイ観測では2万3000km、1995年のハッブル宇宙望遠鏡の観測では2万1000km、同じく2009年には1万8000kmと年々小さくなっている。

さらに2012年からは、1年間で930kmという急激な勢いで縮み、最新のハッブルの観測では幅1万6500kmに。その形も、楕円から真円に近いものに変わってきている(画像)。

ハッブルの観測では微小な渦が大赤斑にとりこまれているようすもとらえられている。この現象が急激な縮小に影響している可能性があるとして、さらに詳しい調査が行われる予定だという。

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