ジェミニ南望遠鏡、惑星サイズの天体同士の衝突現場を観測

【2005年1月18日 Gemini Observatory

チリにある口径8メートルのジェミニ南望遠鏡によって、50億年前の太陽系形成をほうふつとさせる、惑星サイズの天体同士の衝突を示す観測結果が得られた。

(衝突が起きた領域を示すがか座β星周辺の想像図) (ジェミニによるちりの放射の変化をとらえた中赤外線画像)

(上)衝突が起きた範囲を示すがか座β星系の想像図、(下)ちりからの放射の変化を捉えた中間赤外線画像。ともにクリックで拡大(提供:(上)Gemini artwork by Jon Lomberg、(下)Gemini Observatory)

天体同士が衝突したと考えられる現場は、がか座β星を取り囲むちりの円盤である。赤外線観測によって、惑星系の形成過程で起きる微惑星同士の激しい衝突の証拠が得られた。このような現場を観測することは、50億年前に始まったわれわれの太陽系の形成を目の当たりにしているのと同じことである。

衝突によって放出された大量のちりは、星からの強い放射によって、あっという間に周辺に吹き飛ばされてしまったのだが、ちりの総量の計算などから、この衝突はほんの100年程度前に起きたものであると推定されている。