チャンドラ撮影の画像
「銀河中心の電波アーク」「ケンタウルス座銀河団の円柱状構造」

【2002 年 2 月 1 日 Chandra Photo Album (1) / (2)

NASA の X 線観測衛星チャンドラが撮影した画像を 2 枚紹介しよう。

<銀河中心の電波アーク>

(チャンドラなどが撮影した銀河中心の電波アークの画像)

銀河中心の電波アーク。青はチャンドラによる X 線画像、緑は野辺山電波観測所によるミリメーター波長の画像、赤は国立電波天文台による電波波長の画像(画像提供:(青)NASA / CXC / Northwestern / F. Zadeh et al.、(緑)Nobeyama / M. Tsuboi、(赤)NRAO / VLA / F. Zadeh et al.)

チャンドラで銀河中心方向を観測すると、X 線で輝く長さ 40 光年ほどのフィラメントや雲が見つかった。電波で明るく輝く大きなフィラメント状や層状の構造と関連があるようだ。

この X 線放射は、フィラメント中の高エネルギー電子が太陽の百万倍の質量を持つ低温のガス雲とぶつかって発生すると考えられている。この衝突が起こっていると考えれば、30 年ほど前に見つかった銀河面に沿った X 線構造の起源も説明できる。

<ケンタウルス座銀河団の円柱状構造>

(チャンドラが撮影したケンタウルス座銀河団の画像)

チャンドラが撮影したケンタウルス座銀河団。色は温度に対応し、赤が低温側、青が高温側(写真提供:NASA / IoA / J. Sanders & A. Fabian)

ケンタウルス座の銀河団の画像には、長い円柱状の構造が見られる。

この銀河団は地球からおよそ 1 億 7 千万光年かなたにある。円柱状の構造は長さが 7 万光年にも達し、その温度は 1000 万度程度だ。これは円柱の周りにあるガスよりも数百万度ほど低温である。画像中の色は温度を表しており、青いほど高温である。また、質量は太陽 10 億個分に相当する。