1 月 20 日の小惑星メイエールによる恒星食の改良予報

【2002 年 1 月 15 日 アストロアーツ】

1 月 20 日(日)に小惑星メイエールによる恒星食が起こる。この予報を佐藤勲さんとせんだい宇宙館からいただいたので、それぞれ紹介しよう。

<佐藤勲さんによる予報(ONM No. 612)>

1月20日(日)に起こると予報されていた小惑星(1574)Meyer(15.9等)によるTYC550701406(10.60等)の掩蔽は、同日24h34mごろ見られます。

隠される恒星の2000年分点の位置は、赤経11h06m36s2808±0".041, 赤緯-13° 58' 37".536±0".048で、コップ座にあります。一方、隠す小惑星の推定直径は59km、視直径は0".030で、改良予報での暦の精度は0".038です。

名目上の掩蔽帯は、北陸、近畿、四国方面を通っており、ここを中心に全国が可能性圏内にあります。星の位置精度が悪いため、これ以上の精度向上は見込めません。現象が起これば、最長9秒間にわたって5.3等級の減光が起こります。

予報図のPDFファイルを添付しました。アクロバットリーダーでご覧になれます。

詳しいお問い合わせと観測報告は、佐藤 勲 氏(E-mail ANA65381@nifty.ne.jp)までお願いいたします。

さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。また、観測報告は、eGroupに参加登録の上(eGroupにログイン)、occultation@egroups.co.jpに投稿して下さい。(プロフィールを記入されませんと、参加登録されません。)

<せんだい宇宙館からの予報>

1月21日未明の小惑星(1574)Meyer による TYC 5507-01406-1(mag10.6)の掩蔽の IOTA による改良予報が発表されました。観測の可能な方は是非ご協力頂きたくお願い申し上げます。また、近隣の方々にも呼びかけをお願い申し上げます。

この予報は、ファインダーチャートとともに、以下のページにおきました。http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/

■ 2002.01.21   00h33m JST
恒星  :TYC 5507-01406-1
        赤経 11h 06m 36.289s,赤緯 -13° 58' 37.42" (J2000) 10.6等
        コップ座δ星(δ Crt)の西 約 3° 11'
小惑星:(1574)Meyer  15.9等
減光  :約 5.3等  継続時間は最長 9.0秒
掩蔽帯:日本全土

小惑星の軌道精度が悪いため掩蔽帯の精度は悪いはものの、条件のよい現象です。掩蔽帯の幅は113km で誤差(1σ)はその+/-276% と発表されています。小惑星の影がおよそ8分かけて、北海道から沖縄まで日本を縦断するコース。減光時刻は地方により大きく異なるので、注意を要します。北海道地方00h31m,関東地方00h33m,九州地方00h35m 頃。また、21日と示しているが、実際には20日の深夜の現象であるためこの点にも注意のこと。

改良予報の在所: http://www.oz.net/~stevepr/Asteroids/asteroid.htm

観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立てられます。

必要なデータは、

  1. 観測者氏名
  2. 観測地および観測地の経緯度
  3. 観測開始と観測終了の時刻
  4. 減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです。
  5. 減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
  6. 観測機材
  7. 時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保持のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は遅れが大きいので避けてください。

星食観測は多くの観測者により成立するものですので、この種の現象を通じて、天文仲間のフレンドシップの広がることを期待しております。

<関連リンク>

<関連ニュース>