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太陽観測探査機SOHOとの通信が途絶えた!


【ESA press-release 98-23】

1995年12月にNASAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)が共同で打ち上げた太陽観測探査機SOHOとの通信が途絶したもようだ。
SOHOは広角分光コロナグラフ(LASCO)を搭載し、太陽コロナのモニター観測を行ない、太陽の表面下にプラズマの流れがあることを発見するなど、太陽に関する研究に大きな成果をもたらした。
また、太陽表面をかすめるほどに接近するクロイツ群彗星を50個以上も発見し、最近では5月初旬にSOHO彗星(C/1998J1)などを見つけたり、彗星が太陽にぶつかっていくようすを捉えたりするなど、話題となっていた。
太陽面や内部活動を2年間に及び観測することが任務とされたSOHO探査機は、今年の4月にその初期観測目標を終えたばかりだった。
原因は不明だが、SOHOは太陽の位置を見失い、緊急に太陽を再捕捉するためのESRという行動を行なったもようで、その後通信が途絶えた。
地上の大アンテナなどを使い、再度通信を行なうための努力を試みたが、テレメトリーデータも途絶え、探査機の復帰は難しいとのことだ。

なお、SOHOについてはNASA・SOHOホームページ(http://sohowww.nascom.nasa.gov/)にて公開されている。

SOHO彗星(C/1998J1)については、天文雑誌『スカイウオッチャー8月号』(7月4日発売予定)にて解説している。



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