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国立天文台による天体のインターネットライブ中継

国立天文台・天文ニュース (番外)


【1997年12月 8日 国立天文台・天文ニュース】

国立天文台による天体のインターネットライブ中継について

文部省 国立天文台 広報普及室

 きたる12月11日(木)、文部省国立天文台ではNTTの協力のもと、 下記のようにインターネット回線を利用した初めての試みとして、 天体のインターネットライブ中継を行います。

インターネットライブ中継「昼間の金星を見よう」

実施日時 1997年12月11日(木)
中継場所 国立天文台三鷹キャンパス内 社会教育用公開望遠鏡
            (口径50cm反射望遠鏡)
中継天体 12:00ー14:00  金星
20:00ー21:00  土星
23:00ー24:00  冬の星々
インターネットホームページ:
国立天文台
http://www.nao.ac.jp/index_J.html
NTT WNN-U
http://www.wnn.or.jp/wnn-u/library/kanbou/tyuukei.html

インターネットライブ中継「昼間の金星を見よう」について

 国立天文台では、三鷹キャンパスにある口径50cmの 反射望遠鏡(正式名称:社会教育用公開望遠鏡)を活用し、 教育普及用天体画像の作成や一般向けの観望会などを行ってきたが、 今回、新しい試みとしてインターネットを活用した天体のライブ中継を 実験的に行うことにした。

 社会教育用公開望遠鏡は、1996年4月の公開以来、 毎月2回のペースで一般向けの観望会を開催し、好評を得ている。 しかし、観望会へ直接足を運べない人や、 学校教育の現場などで活用してもらう可能性などを鑑み、 なるべく多くの人が天体観望を楽しめるよう、 リアルタイムでのインターネット観望会の可能性を検討してきた。 このほどNTTとの協力により、 インターネット環境を利用してのリアルタイムの画像・ 音声配送が可能となる見込みがついたので、 1997年12月11日(木曜)に最初の実験的中継を行うものである。 中継を見るためには、受信側はNTT WNNのホームページから 専用の表示プログラム(Windows/Macintosh対応)をダウンロードし、 設定するなどの若干の作業が必要であるが、 インターネット経験者にはごく簡単なもので、すべて無料で提供される。

 今回はメインテーマとして「昼間の金星を見よう」とした。 金星は翌日の12月12日に最大光度を迎え、 望遠鏡でもはっきりと三日月のような形がわかるうえ、 明るいために白昼からの中継が可能である。 また、金星はご存じのように二酸化炭素ガスに覆われ、 温室効果が暴走してしまった灼熱の惑星であり、 地球温暖化防止京都会議にちなんで、金星を見ながら、 われわれの地球環境を考えるよいきっかけになるのではないか、 というのも、ひとつの理由である。金星の中継は正午から約2時間、 ほぼ30分ごとに音声の解説を流す予定である。

 さらに、夜間時間帯には、惑星の中でも人気の高い土星を、 午後8時台に、さらに寒空に輝く様々な冬の星々を午後11時台に中継する。 天候の関係で、これらの天体のリアルタイム中継ができない場合には、 すでに録画してあるテープを代用する。 内容に関しては、当日の状況次第で変更される可能性があるので、 詳しくはホームページ上の情報をご覧いただきたい。

 国立天文台は、今回の結果を見て、 今後、この社会教育用望遠鏡で定期的に同様の試みを行う予定である。 将来は、国立天文台でハワイ島マウナ・ケア山頂に建設中の口径8m すばる望遠鏡が捉えた天体のインターネット中継も検討されている。

お問い合わせ先 0422ー34ー3688 (国立天文台広報普及室質問電話)

     1997年12月8日        国立天文台・広報普及室


※:訂正とお詫び

 「国立天文台・天文ニュース (146) 南氷洋に落下した小惑星エルタニン」で、 『この状態は、6500年前にやはり天体衝突で生じ、 恐竜などの大量絶滅に』とありますが、「6500年前」は「6500万年前」の誤りです。 沢山のご指摘有難うございました。



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