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コロナの謎に1歩近づく!


【1997年11月6日 NASA Press Release 97-256

皆既日食の時に見られるコロナの美しさは日食ファンにとっては たまらないものではあるが、天文学者にとっては頭をかかえる謎の一つだ。 というのは、太陽表面の温度は6千度しかないのだが、 コロナの温度は300万度にも達するからだ。冷たいものがより熱いものを 暖めることは物理学の常識では考えられない。 したがって通常の熱伝導以外のメカニズム−波や磁力による加熱を 考えなければならないが、今までの観測ではそれらを示す証拠は見つからなかった。

ところがこのほどSOHOに搭載した遠紫外線望遠鏡とコロナスペクトロメータによって、 太陽表面から発生している磁気のループがコロナを加熱しいる様子を 克明に捉えることに成功した。 この磁気のループはフーバーダムのような巨大な水力発電所の100万年分の エネルギーをコロナに供給している。磁気のループは密集していて、 天文学者はこれを”磁気のじゅうたん”と名づけた。

磁気のじゅうたん磁気の絨毯(JPEG 120KB)

また、これらの磁力のループは、発生してから40時間以内で バラバラになって消失してしまう事も判明した。 「このような短時間で変化するということは、 太陽中心のダイナモ層の効果とは考えにくく、 表面に下層に未知のメカニズムがあるのかも知れない」と、 天文学者達は新たな謎を手に入れたようだ。

以下のページで多くの画像が見られる:

http://umbra.nascom.nasa.gov/ssu/magnetic_carpet.html

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