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ほとんどの銀河に巨大ブラックホールが存在 / NASA


【1997年 1月13日 NASA PRESS RELEASE NO.: STScI-PR97-01】
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)などの観測により、近傍の銀河からその中心核に巨大な ブラックホールを持つものが3つ発見された。 これまで、M87など一部の巨大な銀河の中心にはブラックホールが存在していることは 知られていたが、今回の近傍の銀河の調査から、大きな銀河には必ずその中心に 巨大なブラックホールがあるらしいことが分かった。 ブラックホールの大きさは銀河の大きさに比例しており、ブラックホールと 銀河の形成過程には強い相関があることを示唆している。

発見されたブラックホールの数と質量は、クエーサーが放出する膨大なエネルギー に匹敵するものである。このことから、ほとんどの銀河は、かつてはクエーサーと して輝いたことがあり、現在残っているブラックホールはその名残であると 考えられる。

今回の調査結果により、小さな銀河にも、現在のシステムでは検出できないほ ど小さなブラックホールが存在すると思われる。 今年の2月には、ハッブル宇宙望遠鏡にスペクトル測定器が取り付けられるた め、ブラックホールの調査は飛躍的に進歩すると期待されている。

何故これほどたくさんのブラックホールが存在するのか、何故その質量が 銀河の質量に比例するのかについては、今後の研究が待たれる。

さらに詳細な情報やHSTの画像は、

http://www.stsci.edu/pubinfo/PR/97/01.html
http://www.stsci.edu/pubinfo/Latest.html
を参照。

o ブラックホールの検出法

地上の望遠鏡でも、スペクトル観測によってブラックホールを検出することが できる。 しかし、HSTを使えば、地上の望遠鏡とは比べものにならない程高い精度の観測を 行なうことができる。 この調査では銀河の核付近を詳細に観測し、星々の移動速度を測定して、恒星が 加速していることから、中心に巨大な質量が集まっていることを検出した。


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