星ナビ・ギャラリー

「星ナビギャラリー」では、天体写真やイラストを紹介していきます。星を見に行った時のスナップや観望会のようすなども送ってください。
 星ナビドットコムでは「星ナビ」掲載作品の中から数点をピックアップして掲載します。小さい画像をクリックすると大きな画像になります。大きな画像からこのページ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンを使ってください。

2002年8月号からのピックアップ

 先月号に引き続き美しい尾を見せた池谷・張彗星をとらえた作品が多く集まりました。及川さんの銀河に浮かぶ彗星の姿や、イオンテイルの攪乱をとらえた金さんの作品など見所たっぷりです。

朝焼けの銀河に浮かぶ彗星/及川聖彦(千葉県千葉市)
朝焼けの銀河に浮かぶ彗星/及川聖彦(千葉県千葉市)北極星からアンドロメダ星雲、カシオペヤ座の横にある池谷・張彗星を朝焼けの銀河の中にとらえました。

SMCペンタックス67・55mmF3.5広角レンズをF4.2に絞る ペンタックス67 タカハシEM10赤道儀にて恒星時追尾 フジクロームプロビア400F 2002年4月13日03時46分40秒から15分露光 長野県下伊那郡上村しらびそ高原にて観測所にて

夕空から明け方にその姿を移し、徐々に高度をあげつつあったころの池谷・張彗星の姿です。35mm換算で28mm広角レンズに相当する画角でこの姿は立派な大彗星といえますね。日本でも第一級の観測地のひとつしらびそ高原まで遠征して撮影した甲斐があって透明感あふれる美しい発色です。イオンテールも写真からは10°以上伸びているように見えます。
Ikeya-Zhang/金 湘九(Bucheon,South Korea)
Ikeya-Zhang/金 沐目九(Bucheon,South Korea)ニッコール300mmF2.8望遠レンズ開放 ニコンFM2 タカハシEM10赤道儀にて恒星時追尾 フィルム名未記入 2002年4月19日02時40分(右上)、03時40分(右下)から各7分露光 Mt.Sobackにて

4月19日におこった太陽風によるイオンテールの攪乱を連続でとらえています。わずか50分間隔の撮影ですがテールが分断されるかのような攪乱がよくわかる貴重な作品となりました。欲を言えば、もっと短い間隔で夜明けぎりぎりまで連続写真を撮影してほしかったですね。撮影当日には気づいていなかったのかもしれませんから、その場で形状確認の行える冷却CCDに歩があると言うことでしょうか。
M97,M108/久保田宏(東京都稲城市)
M97,M108/久保田宏(東京都稲城市)自作ソフトにより周辺減光補正と色補正を、その後フォトショップにてレベル補正などを行いました。

タカハシε250C(口径250mm焦点距離854mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 自作アストロカメラ タカハシJP赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 フジクロームプロビア100F 2002年4月13日23時22分から50分露光 フジピクトログラフィー3000にてプリント 長野県下伊那郡上村しらびそ高原にて

M97とM108は北斗七星のひしゃくの底にあたる、おおぐま座β星近くにある系外銀河と惑星状星雲のペアでよく撮影される人気の高い対象です。その形状の比較も面白いですが、この2つの天体は空間的に接近しているわけではなく、その実直径も距離も大きく異なり、宇宙の広がりを感じさせられます。ベテランの久保田さんはこのペアが宇宙にぽかりと浮かぶようすをシャープでフラットなイメージできっちりととらえています。目立つ作品ではありませんか、自作ソフトでの周辺減光補正など、じっくりと鑑賞したくなる質の高い作品です。
北極星より流るる/三田 明(埼玉県春日部市)
北極星より流るる/三田 明(埼玉県春日部市)日光の湯滝から撮りました。上にある水銀灯が邪魔ですが、かえって趣のある写真になりました。

SMCタクマー6×7・55mmF3.5広角レンズ開放 ペンタックス67 固定撮影 コダックエクタクロームE100Sを+2増感現像 2002年3月17日00時30分から5分露光 栃木県日光市湯滝にて

偶然にも7月号で紹介した西田さんと同じロケーションでの撮影です。Vの字に切り取られた星空と流れ落ちる滝、それを挟むような木々が作り出すシンメトリーな光景は、木々のシルエットから漏れる光とあいまって幻想的で美しい作品となっています。プリンター出力による応募でしたが、ポジ原板で見てみたかったですね。
降りそそぐカーテン/真鍋正寿(大阪府高槻市)
降りそそぐカーテン/真鍋正寿(大阪府高槻市)緑だけでなく、赤や紫、ピンクといったカラフルなオーロラを撮りたくて、昨年に続き2度目のカナダ遠征でした。その甲斐あってとてもきれいな色が出てくれました。オーロラは見る年、見る月によって、動きの激しい物、何色ものカラーを楽しまれてくれるものと、ひとつとして同じものがなく、また何度でも見に行きたくなってしまいます。

シグマ15mmF2.8対角魚眼レンズ開放 ニコンFE 固定撮影 コニカカラーセンチュリアズームスーパー800 2002年4月11日02時40分から25秒露光 カナダ・イエローナイフにて

対角魚眼レンズを使って全天を覆うような活発なオーロラをとらえています。酸素原子が発する黄緑色だけでなく窒素分子が発する青や赤の光も見られ、とてもカラフルで美しい作品となっています。こういったカラフルなオーロラは太陽からの荷電粒子が地表近くまで到達しないと発せられないので、太陽活動が活発な時期以外はあまり見られません。よいチャンスをものにしましたね。
エメラルドの星/高橋郁衣(岩手県胆沢郡金ヶ崎町)
エメラルドの星/高橋郁衣(岩手県胆沢郡金ヶ崎町)「こんな星があったらいいな。」と思って描きました。エメラルドグリーンの空や海、いつか行ってみたいな。浮かぶエメラルドの原石が夢の世界へいざないます。

高橋さんの夢を象徴するかのように深く、そして鮮やかな光を放つエメラルドの原石。衝撃に弱く傷つきやすいこの原石を慎重に磨きあげ夢を叶えてほしいですね。透き通るような美しい色彩とダイナミックな波が印象的な作品です。

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