星ナビ・ギャラリー

「星ナビギャラリー」では、天体写真やイラストを紹介していきます。星を見に行った時のスナップや観望会のようすなども送ってください。
 星ナビドットコムでは「星ナビ」掲載作品の中から数点をピックアップして掲載します。小さい画像をクリックすると大きな画像になります。大きな画像からこのページ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンを使ってください。

2001年8月号からのピックアップ

 恐竜が見あげた星空、一眼デジカメでの星雲星団など今月も意慾的な作品が多く集まりました。目が醒めるような美しい低緯度オーロラの写真も印象的です。
 梅雨があけるとすぐ夏、遠征の機会も多くなる季節です。美しい星空のもと、旅先での一枚をぜひ応募してくださいね。

M64(黒眼銀河)/伊藤明彦(大分県日田市)
M64(黒眼銀河)/伊藤明彦(大分県日田市)銀河の中心付近がひとの眼のように見えるので黒眼銀河と呼ばれます。周囲にはまるでグラデーションのように腕が広がっています。
 
タカハシBRC250(口径250mm焦点距離1268mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 ビットランBJ31L(-20℃) タカハシNJP+オートガイダーST5Cにて恒星時追尾 トーカイタイプ?3色分解用フィルター+トーカイLPSP1赤外カットフィルターでLおよびRGB画像を撮像しパソコン上でカラー画像に合成 2001年4月1日23時24分から総露光時間100分(L10分×7、RGB各5分×2 2×2ビニング) キヤノンBJF850にてプリント 大分県日田郡天瀬町にて
 
M64はかみのけ座に位置する明るい銀河で、小さな望遠鏡でも、黒眼のようすを楽しむことができます。伊藤さんの作品では、明るく輝くバルジを横切る複雑な暗黒帯のディテールや大きく広がった淡い銀河腕までが表現されていて見事のひとことです。処理も自然で好感の持てる作品です。
タイムトラベル/伊奈 宏(静岡県浜松市)
タイムトラベル/伊奈 宏(静岡県浜松市)こんな写真はいかが?腕を競い合う天体写真とは言えないと思いますが、面白かったので撮影してみました。それにしてもこの恐竜うまくできていました。
 
SMCペンタックス67・45mmF4広角レンズをF5.6に絞る ペンタックス67 固定撮影 コダックエクタクロームE200 2001年4月15日 静岡県袋井市にて
 
ブラキオサウルスでしょうか?はるか太古、ジュラ紀の星空を思わせるような意慾的な作品です。恐竜たちが星空を仰ぐような構図も面白いですね。
〜夢〜/加藤詩乃(愛知県瀬戸市)
〜夢〜/加藤詩乃(愛知県瀬戸市)夢を見た
それは明け方
天を埋め尽くす星がひとつ またひとつと消えていくように
ふと気づくと もう何もなかった
  夢を見た
  それは懐かしいあの頃の夢だった
 
SMCタクマー67・105mmF2.4標準レンズをF2.8に絞る ペンタックス67 固定撮影 スノークロスフィルター コダックエクタクロームE100Sを+1増感現像 1999年9月10日04時23分から2秒露光 長野県平谷村にて
 
明けゆく空に溶け込むように輝きを失ってゆく星々を絶妙な露出でとても美しい作品に仕上げました。朝やけ色に染まった雲とやさしい輝きを放つ月もよいアクセントになっています。フォギーフィルターの使用も効果的ですが、クロスフィルターによる光条はややうるさかったかもしれません。
極光にかすむマゼラン星雲/中垣哲也(北海道札幌市)
極光にかすむマゼラン星雲/中垣哲也(北海道札幌市)New Zealand滞在中は3日に1度の割合で肉眼でオーロラを見ることができました。カーテンの揺れる感じはありませんでしたが、光の柱が意外なほど広範囲に移動するようすが印象的でした。透き通ったワインレッドの空はひじょうに幻想的でした。
 
SMCタクマー67・45mmF4広角レンズ開放 ペンタックス67 ビクセンGPDにて恒星時追尾 コダックエクタクロームE200を+1増感現像 エプソンPM880Cにてプリント 2001年3月24日02時07分(現地時刻)から10分露光 New Zealand,Lake Tekapoにて
にて

 
ニュージーランド・テカポ湖での低緯度オーロラです。大規模なフレアが発生した3〜4月頃には国内でも北海道をはじめ、中部地方でもオーロラが見られました。テカポ湖での緯度は南緯44°と日本でいえば稚内ほどです。低緯度オーロラというと地平線が赤く染まる程度といったようなイメージですが、赤、黄緑、青とカラフルで、うねるような構造も見られ、活発化している太陽活動の一端が伺えますね。
一眼デジカメによるM42、M3、C/2001A2 LINEAR彗星/和光 久(山梨県甲府市)
一眼デジカメによるM42、M3、C/2001A2 LINEAR彗星/和光 久(山梨県甲府市)6月号の一眼レフデジカメ特集、大変面白く読ませていただきました。が、同月の天文ガイドでの編集長のコラムを見て何となく腹が立ったので、腹いせに私のFinePix S1 Proで撮ったものを送ります。
 6月号での記事にもありましたが、S1 Proではそれほどのノイズは気になりません。実際、同封したM42とC/2001A2 LINEARではノイズの減算処理は行っていません。そうは言っても、コンボジットの段階でノイズが目立たなくなる手法を使ってはいるのですが、厳密には減算処理とは異なるものです。他のD1やD30を使った事がないので、それらとのノイズの比較は私には出来ないのですが・・・。画像処理中のモニターで見るものはどれももっと鮮明なのですが、いかんせん、使っているプリンターが古いためにプリンターに起因するノイズがプリントでは気になります。
 現地で撮る時にはカメラはパソコンで全部制御します。電源もパソコン用に車からインバーターで100Vを使えるようにしてあるため、内部の電池は全て取り出し、交流アダプターから確保することでカメラ自体の軽量化にもなっています。また、撮影した画像ファイルはカメラ内部のメディアではなく、直接ハードディスクに記憶させます。しかし問題もあります。カメラの内蔵ストロボの部分がはり出しています。また、電源用のコネクターとパソコンとの接続用のUSB端子がカメラボディの正面、レンズマウントの真下にあるため、例えばピクセンのR200SSに専用のワイドアダプターを使うとカメラの回転に制限があるためにアングルの自由度が失われてしまいます。同じピクセンのVC200LにNSTアダプターを使用する場合には問題ありません。ちなみにR200SSにNSTアダプターを使用した場合にはピントが合わせられません。
 はじめは流星観測に使えないだろうか、ということから購入しました。実際に昨年のしし座群の時には35ミリレンズを使用して月が輻射点の近くにあり、なおかつZHR30程度の環境で3つの流星の撮影に成功しています。今ではカメラレンズを使用しての撮影以外にも、直焦点撮影や月、惑星の拡大撮影にもいろいろと試しています。銀塩や冷却CCD、どちらも使っています。一眼レフデジカメも含めて各々に長所も短所もあります。私としては鑑賞用の天体写真、などというものはこれっぽっちも気にしていませんが、自分で納得できるようにあれこれと試行錯誤している時間が結局は楽しいんですよね。結果よりも過程のほうが楽しいですから。だから山へ撮影に行くときには必ずカップ麺以外の夜食とアルコールが標準装備です。
 いずれにしてもこの一眼レフデジカメ、まだまだ改善の余地があるのは確かなのですが、天体写真を撮るための第三のツールとしてはおおいに気に入っております。なお、これらの写真は私のWebでも公開しています。そちらを見ていただいたほうが画質も綺麗だとは思います。
<松戸サイエンステスト研究所>http://www1.linkclub.or.jp/~harlock/
 
ビクセンR200SS(口径200mm焦点距離800mm反射望遠鏡)+コマコレクターによる直焦点撮影 フジFinePixS1 Pro(ISO1600) ビクセンGPDによる恒星時追尾 ニコンクールプリントにてプリント M42:2001年4月19日19時43分から30秒×3フレームコンポジット、M3:同日22時20分から30秒×2フレームコンポジット、LINEAR彗星:同日19時50分から30秒×6フレームコンポジット(インターバル9秒の連続撮影)、部分トリミング 山梨県乙女高原にて
 
フジFinePixS1 ProはニコンFマウントベースの一眼レフデジタルカメラです。最長30秒の長時間露光が行なえることから天体写真への適応が期待できます。和光さんはこのデジタルカメラを使って星雲星団の撮影に挑戦してくれました。これらの作品を見る限りでは星雲星団への適応も充分ですね。プリントではややノイジーな印象を受けましたが、Webに掲載されている画像はそれほどでもないようです。プリント処理を工夫するとクオリティーの向上が望めそうですね。感度やノイズ、露光時間の制限から淡い天体の撮影は難しいかもしれませんが、この調子でいろいろな天体を撮影してみてください。「デジカメで気軽に撮れる」対象が星雲・星団にも広がってきたようです。

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