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Book Reviewこだわり天文書評

金井三男さんのWebオリジナルレビューと「星ナビ」月刊ほんナビを掲載しています(不定期更新)。▼天文・宇宙関連書の最新刊リストも掲載。

旬のトピック 火星はやぶさ

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金井三男のこだわり天文書評 第百二十五回(10/22)

■日本近代科学史■こども実験教室 宇宙を飛ぶスゴイ技術■星の文学館

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星ナビ「月刊ほんナビ」(原智子さん他) 星ナビ2018年10月号(10/22)

■月の文学館■星の文学館■一瞬の宇宙■世界でいちばん素敵な雲の教室■星降プラネタリウム

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金井三男さん 金井 三男(かない みつお)

1974〜1989年に東京・渋谷にあった五島プラネタリウムで解説員として活躍の後、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わる。現在は首都圏10か所のカルチャーセンターで毎月講演会を行っている。月刊「星ナビ」で、独自の視点から天文や宇宙を追究する「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。

新着レビュー

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

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日本近代科学史
 

日本近代科学史

  • 村上陽一郎 著
  • 講談社
  • 15×10.7cm、253ページ
  • 2018年9月
  • ISBN 978-4065130278

1946年生まれの評者より10歳も年上の著者は、戦後教育を真っ先に受けた世代。他の誰よりも日本科学の発展史に深い関心と造詣をお持ちなのだろう。そのことがよく判る本である。初版が1968年(50周年)、アポロ11号の月着陸の前年のこと。だが、今読んでも新鮮な知識と感動が湧き出る本。否、今だからこそ。たとえば来日したイエズス会(Jesuitという英語に陰険な詭弁家という意味があることは本書で知った)宣教師ザビエルらが、会のローマ本部に送った書簡で、日本の庶民らが天体現象に強い関心を示し、何度も質問を繰り返したことに感心した! とあるが、実はそれが科学的関心に基づくものはなく、自分たちの質問に対して毛色も皮膚の色も自分たちとは異なる西洋人がどのように答えるか、好奇の目で見ていたからだという本質を突く見方に、評者は深い感動心を持った。

あるいは、日照りが続いたときにご神体を神社から引き出してグロテスクな魚を貢ぐという風習(今も続くかどうかは知らないが)は、神の怒りと信じられた天変地異をやめさせようとする行為であることも、本書で知った。だから科学をという訳ではないが、混雑とした日本に今こそ科学教育が必要なのではないかと思った次第である。麻田剛立・志筑忠雄・渋川春海…と続く日本の暦学者が何を考え、研究を進めたかが実によく理解できる。また、医家吉益東洞は「死体解剖は意味が無い。生きた物を扱う医学こそ有用である」と言ったが、この姿勢がそもそも科学ではないことを、如実に示している。本当に勉強になる本ですよ。

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「はやぶさ2」「イカロス」に強くなる!! こども実験教室 宇宙を飛ぶスゴイ技術
 

「はやぶさ2」「イカロス」に強くなる!! こども実験教室 宇宙を飛ぶスゴイ技術

  • 川口淳一郎 著
  • ビジネス社
  • 24×18.4cm、87ページ
  • 2018年7月
  • ISBN 978-4828420462

吉祥寺の大書店の子供コーナーに山積みされていた8月7日に本書を購入したが、20日に訪れた際は売り切れていた。要するに人気の商品。だが、本書は大人にこそ読んでもらいたい、それも天文や宇宙科学に関心が深い方に。探査機「はやぶさ」初代のプロジェクトマネージャーとして知られる著者は、子供のころに天体望遠鏡を手作りし、月のクレーターを見たときの感動が今でも忘れられないそう(評者は土星の環)だが、よって評者は現在、雑学天文大百科で著名天文学者達が望遠鏡を初覗きして何に感動し、職業を決めたかを調べ尽くし中である。本書にも、望遠鏡の手作りの仕方が丁寧に書かれている。もちろんそればかりでなく、巻頭記事のブラジルナッツ効果(読んでのお楽しみ)にあっと驚いてみよう!

弾まないボールを作ってターゲットマーカーを理解し、何故カプセルがお椀みたいな形をしているのかも理解し、お米でクレーター作りを体験し、イオンエンジンの仕組みや太陽の光圧を確かめる実験、夜になると聞ける、これまで聞いたこともない遠距離ラジオ局の放送や、紅茶缶廻転実験など、こりゃもっぱら大人向けの実験ネタですよ。おそらく17名の実験スタッフがああでもないこうでもないと、アイディアを検討した結果なのでしょうが、ともかく大人に面白い。本書は、すぐに通読しなくても結構! ヒマなときこそ本棚から引っ張り出して該当箇所を読み、実験材料を取りそろえて綿密に計画してから、おもむろに実験に取りかかってほしい。その際の重要な参考書である。

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星の文学館 銀河も彗星も
 

星の文学館 銀河も彗星も

  • 和田博文 編
  • 筑摩書房
  • 15×10.6cm、383ページ
  • 2018年7月
  • ISBN 978-4480435293

本書は、同文庫の『月の文学館』 と併せてお読み戴くのが良い。何故かというと、同じ天体と言っても日本人の感覚では月と星は大違いなのが判るから。圧倒的に月は文学者好みで、星は科学者好みだからである。著者によると、日本の文学作品では、月に関する作品よりも星に関するものの方が少ないという。でもね、現代の日本の都会地では、強烈な街明かりで主役の二人が渡るべき天の川が全く見えないのに、幼稚園・保育園では七夕祭をやっていますよ。織り姫様や彦星様がどこにいるかも知らずに、また織り姫のお父さん(北極星)なんて完全に忘れられているのに、ですよ。

評者は、かねてより日本人が星をどのように見てきたか、そして考えてきたかに関心を持っていた。だから本書を一気に読んでしまった。そこで、上記のような結論を得た。そしてそれは確信に変わった。著者は大学の日本文学の教授先生で、NHKのコズミックフロント☆NEXTのファンだという。文学者としては珍しい方なのだ。文学に精通し、従って紹介された文の著者も山口誓子や川端康成をはじめ、野上弥生子、稲垣足穂、森繁久彌、寺山修司、三島由紀夫、水木しげる、武者小路実篤、江戸川乱歩、阿部謹也、三浦しおん、宮沢賢治、大江健三郎、小松左京…35名による珠玉の作品ばかり。近代文学の代表評論家の荒正人さんが、1956年9月4日に科学博物館で村山定男先生の指導の下20cm望遠鏡で中大接近の火星を見たなんて知らなかった。

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新刊情報

いま明かされる! すばる望遠鏡 ソフトウェアとの熱き闘い 開発に秘められた情熱と現実

  • 水本好彦 著、佐々木敏由紀 著、小杉城治 著
  • インプレスR&D
  • ISBN 978-4844398530

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絵でわかる宇宙地球科学

  • 寺田健太郎 著
  • 講談社サイエンティフィク
  • ISBN 978-4065133606

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量子宇宙 ホーキングから最新理論まで

  • 日経サイエンス編集部 編
  • 日本経済新聞出版社
  • ISBN 978-4532512293

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全国公開天文台ガイド

  • 恒星社厚生閣編集部 編、日本公開天文台協会 監修
  • 恒星社厚生閣
  • ISBN 978-4769916185

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図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む

  • 松原隆彦 著
  • 光文社
  • ISBN 978-4334043742

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私たちは時空を超えられるか 最新理論が導く宇宙の果て、未来と過去への旅

  • 松原隆彦 著
  • SBクリエイティブ
  • ISBN 978-4797388992

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無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅

  • ジェーン・ホーキング 著、堀川志野舞 訳
  • 静山社
  • ISBN 978-4863894525

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宇宙・天文で働く

  • 本田隆行 著
  • ぺりかん社
  • ISBN 978-4831515179

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天体画像の誤差と統計解析

  • 照井伸彦 編、小谷元子 編、赤間陽二 編、花輪公雄 編、市川隆 著、田中幹人 著
  • 共立出版
  • ISBN 978-4320111240

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もしも宇宙に行くのなら 人間の未来のための思考実験

  • 崚膽] 著
  • 岩波書店
  • ISBN 978-4000253239

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月のこよみ 2019 365日の月の満ち欠けがわかる

  • 相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416618998

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ホーキング博士 人類と宇宙の未来地図

  • 竹内薫 著
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800286802

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絵でわかる宇宙の誕生

  • 福江純 著
  • 講談社
  • ISBN 978-4065130544

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宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来

  • 小泉宏之 著
  • 中央公論新社
  • ISBN 978-4121025074

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9月20日掲載

天体観測手帳2019

  • 早水勉 著
  • 技術評論社
  • ISBN 978-4774198712

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最適観測系理論

  • 木村武雄 著
  • 光陽出版社
  • ISBN 978-4876626120

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現代物理学が描く 宇宙論

  • 真貝寿明 著
  • 共立出版
  • ISBN 978-4320036055

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月の満ちかけをながめよう

  • 森雅之 著、相馬充 監修
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416618967

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忙しすぎる人のための宇宙講座

  • ニール・ドグラース・タイソン 著、渡部潤一 監修、田沢恭子 訳
  • 早川書房
  • ISBN 978-4152097958

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科学の迷信 世界をまどわせた思い込みの真相

  • ナショナルジオグラフィック 編
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
  • ISBN 978-4863134232

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重力波の源

  • 柴田大 著、久徳浩太郎 著
  • 朝倉書店
  • ISBN 978-4254138016

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インフォグラフィックで見る サイエンスの世界 ビッグバンから人工知能まで

  • トム・キャボット 著、柴田浩一 訳、千葉啓恵 訳
  • 創元社
  • ISBN 978-4422400396

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8月20日掲載

138億年の大宇宙 宇宙の天体と歴史がすべてわかる!

  • ニュートンプレス
  • ISBN 978-4315521191

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シリーズ現代の天文学4 銀河I 銀河と宇宙の階層構造

  • 谷口義明 著・編、岡村定矩 著・編、祖父江義明 著・編
  • 日本評論社
  • ISBN 978-4535607545

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美しすぎる星たち 見る、知る、撮るの 星座の教科書

  • 渡部潤一 監修
  • 宝島社
  • ISBN 978-4800286673

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月の地形観察ガイド クレーター、海、山脈 月の地形を裏側まで解説

  • 白尾元理 著
  • 誠文堂新光社
  • ISBN 978-4416718148

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誰も見たことのない 宇宙ステーションから見た世界の絶景

  • 宝島社
  • ISBN 978-4800285355

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どうなってるの? うちゅうとほし

  • ケイティ・デインズ 著、ピーター・アレン イラスト、福本友美子 訳
  • ひさかたチャイルド
  • ISBN 978-4865491395

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天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし

  • 津村耕司 著
  • 大和書房
  • ISBN 978-4479393115

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もう一度学びたい 科学

  • 「もう一度学びたい科学」編集部 著
  • エイ出版社
  • ISBN 978-4777952397

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MANGA謎解きハンターQ 「第二の地球」を発見せよ!

  • 古本ゆうや 著、渡部潤一 監修
  • PHP研究所
  • ISBN 978-4569787862

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せつない星座図鑑

  • 森山晋平 著、多摩六都科学館 浦智史 監修、伊藤ハムスター イラスト
  • 三才ブックス
  • ISBN 978-4866730615

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宇宙旅行入門

  • 高野忠 編、パトリック・コリンズ 編、日本宇宙旅行協会 編
  • 東京大学出版会
  • ISBN 978-4130611626

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