再び動き始めた火星探査車

【2007年8月30日 NASA JPL

空前の砂嵐を生き延びたNASAの双子火星探査車が、ひさしぶりに走行した。嵐がほぼ去った今、最大の難関は太陽電池に降り積もる砂である。


(オポチュニティーのわだち)

オポチュニティーの前方に搭載されたカメラからの画像。13.38メートルの走行の最後に、少しだけ後ずさりしたため「わだち」が見えている。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

2004年1月に火星へ着陸し、3か月の予定を大幅に超えて表面を動き回る双子の火星探査車「オポチュニティー」と「スピリット」だが、6月下旬に発生した大規模な砂嵐に巻き込まれ、探査続行が危ぶまれていた。

両探査車は地球との交信頻度を大幅に減らすなどして、太陽電池の出力が得られないという苦境を乗り切った。今月に入り、空が晴れはじめると、ロボットアームや観測機器を動かして探査活動を再開できるまでになった。

8月21日に、オポチュニティーはひさしぶり(7月12日以来)に車輪を動かし、13.38メートル進んだ。現在、ビクトリアクレーターの縁で待機していて、必要があれば斜面まで進むことになる。ただし、それは探査のためではない。嵐は収まったものの、巻き上げられていた砂が太陽電池パネルに降り積もるようになっていて、どけるには探査車を強引に傾けるしかないのだ。

一方、スピリットも8月23日に車輪を動かし、岩石を撮影するために42センチメートル後退した。

<参照>

<関連リンク>

<関連ニュース>