ニコンから双眼鏡などが新発売

【2002年2月26日 アストロアーツ】

(スタビライズ14×40の写真) (モナークの写真) (D100の写真)

左から スタビライズ14×40、モナーク、デジカメ D100(いずれもクリックで拡大)

24日から開催されているPMAトレードショーや来月行われるフォトフェスタなど、各種展示会に合わせるように、ニコンから双眼鏡、カメラ、デジカメ、交換レンズがまとめて発表された。

なかでも、天文趣味人として注目したいのが、ニコン初となる防振双眼鏡とコンパクトなダハタイプ双眼鏡の2種類の双眼鏡だろう。

防振(VR)双眼鏡の「ニコンスタビライズ14×40」は、口径40ミリ、倍率14倍、実視界4度。ジャイロセンサーで揺れを感知すると、ジンバル構造で保持している正立プリズムをモーターで駆動し、像の揺れを補正するしくみだ。防振動作として、特性の異なるランドモードとオンボードモードのふたつの防振モードを持つのが特徴。ランドモードは、足場の安定しているところでの手ぶれ補正に効果的で、また、オンボードモードでは、船、自動車、ヘリコプターなど、振動の大きな場面で効果を発揮するという。振動周波数や振幅の違いでの使い分けと考えられるが、モード切り替えを装備した防振双眼鏡は世界初だ。電源は単3形アルカリ電池4本、電池寿命は連続使用で6時間となっている。

ひとみ径は2.9ミリで、天体観望用としてはやや視野が暗いかもしれないが、手ぶれ補正を使用すると、微光星の存在を識別できたり、像が安定することから分解能がアップしたように感じられるので、星見にも使ってみたい機種といえる。

価格は17万円、3月9日発売予定である。ちなみに、形状がフジノンテクノスタビと酷似し、スペックもまったく同じである点が、気になる人には気になるだろう。

もうひとつ、発売されるのが新ラインナップのモナークシリーズで、8×42DC Fと10×42DC Fの2機種だ。口径42ミリ、倍率は8倍と10倍のダハプリズム式双眼鏡で、プリズムに位相差コーティングと高反射コーティングを施し、窒素充填の防水機能も備えながらも、それぞれ3万6千円、3万8千円という安価な価格設定が魅力だ。見かけ視界とアイレリーフは、8×42DC Fが50.4度と19.6ミリ、10×42DC Fが60度と15.5ミリとなっていて、手持ち利用の気軽な天体観望にはじゅうぶんな仕様といえるだろう。また、左右の鏡体にはグラスファイバ入りのポリカーボネイトを採用して、610グラムというこのクラスとしてはひじょうに軽量な点も手持ち利用の観望ではうれしい仕様だ。

発売は3月9日の予定。ちなみに、星ナビ4月号(3月5日発売)では、早速、モナークシリーズ2機種のインプレッションを掲載しているので気になる人は要チェックだ。

双眼鏡ほかにも、一眼レフカメラではニコンUの後継機と思われるニコンUs、デジカメではクールピクス2500などが新発売となっている。また、一眼レフデジカメでは、ニコンD100の開発発表もされている。

ニコンD100は、プロ用一眼デジカメ・ニコンD1Xと同サイズのCCDを搭載しているが、画素数ではD1Xを上回る610万画素。出力フォーマットに12bitRAWが用意され、バルブも搭載されてるので、天体撮影特性が気になる機種といえるが、現時点での発売時期、価格は未定である。

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